「家では勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」
「机には向かっているけれど、テストの点につながっている感じがしない」
「成績が伸びている子は、家で何をしているのだろう」
中学生の家庭学習を見ていると、こう感じることがありますよね。
もちろん、勉強時間は大切です。
まったく時間を取らずに成績を伸ばすことは、なかなか難しいです。
ただ、成績が伸びる子の家庭学習を見ると、単に長く勉強しているだけではありません。
同じ30分、同じ1時間でも、「何を目的に取り組んでいるか」が違います。
問題を解いて、丸つけをして、間違いを直す。
ここまでは、多くの子がしています。
でも、私がこれまで見てきたたくさんの生徒の中でも、
特に成績が伸びる子は、さらに
「どこで間違えたのか」
「次は何を確認すればよいのか」
「この教科では何を見るべきなのか」
を確認することが定着しており、
自宅でもそれらをおこなっていることが、宿題を添削することでわかります。
やはり家庭学習の中でこのような学習を行うことが、塾に通っている生徒の中でも差を生むことを体感しています。
今回は、中学生の5教科について、成績が伸びる子が家庭学習でどのような点を意識しているのかを、指導経験から具体例として整理します。
※「元から成績が良い生徒の家庭学習」ではありません。「成績が伸びる子の家庭学習」です。今現在成績不振を感じている保護者様に見ていただきたい記事です。
※長い記事なので、日にちを分けて読むことを勧めます。
成績が伸びる子は、ただ勉強しているだけではない
成績が伸びる子は、特別な教材ばかりを使っているわけではありません。
毎日何時間も勉強している子だけが伸びる、というわけでもありません。
むしろ大切なのは、家庭学習の中身です。
たとえば、数学なら「何問解いたか」だけではなく、途中式や間違い方を見ています。
英語なら「単語を覚えたか」だけではなく、問題形式ごとに見る場所を変えています。
国語なら「読んだかどうか」ではなく、本文の根拠を確認しています。
理科や社会でも同じです。
用語を覚えるだけでなく、図、資料、実験、流れ、制度などと結びつけています。
つまり、成績が伸びる子の家庭学習には、教科ごとにその目的があります。
| 教科 | 家庭学習で見るポイント(例) |
|---|---|
| 数学 | 間違い方・途中式・図・グラフ |
| 英語 | 単語・文法・問題形式 |
| 国語 | 言葉・文法・本文の解釈・設問の答え方 |
| 理科 | 現象・図・実験・資料 |
| 社会 | 場所・流れ・制度とのつながり |
家庭学習では、「今日も勉強した」という事実だけで安心してしまうことがあります。
もちろん、机に向かえたこと自体もとても大切です。
ただ、成績につなげるなら、「何をする時間なのか」を最初にしっかり確認しておく必要があります。
では各教科ごとに見ていきたいと思います。
数学の家庭学習事例|間違い方・図・グラフを見える形にしている
数学は、家庭学習のやり方によって差が出やすい教科です。
同じようにワークを解いていても、答え合わせだけで終わる子と、間違い方を確認する子では、その後の学習が変わります。
数学で成績が伸びる子は、答えだけを見ていません。
解説に書かれている途中式、図、グラフ、文章題の条件などをもとに、
なぜこの答えは間違えているのか、
なぜ正しい答えはこうなのか、
など、考えた過程を見える形にしています。
| 事例 | 伸びにくい状態 | 家庭学習で変えること |
|---|---|---|
| 計算ミス | 「ただのミス」で終わる | 途中式を残して確認する |
| 文章題 | 数字だけを拾って適当に式に当てはめる | 求めるものを先に確認する |
| 関数 | グラフを眺めるだけ | 傾き・切片・交点などを書き込む |
| 図形 | 条件を把握できていない | 図に情報を書き込む |
| 解説理解 | 分かったつもりになる(できると思いこむ) | 翌日または数日後に1問解く |
事例1:計算ミスが多い子は、途中式を消さずに残す
数学でよくあるのが、「単純な計算ミスだった」で終わってしまうケースです。
たしかに、本当に四則の計算ミスだけのこともあります。
でも、途中式を見てみると、符号のつけ忘れ、移項の間違い、分配法則のミス、約分のミスなどが混ざっていることがあります。
(わり算の中にはかけ算と引き算が入ってますよね。)
成績が伸びる子は、間違えた途中式をすぐに消しません。
どの行までは合っていて、どの行からずれたのかを確認します。
さらに良いことは、間違えた内容から「(今後)注意すること」を短くノートか、「注意まとめノート」などに書いておくことを勧めます。
そうすることで、一つ一つを丁寧にはっきり認識することができます。
親が見るときも、
「正解したかどうか」だけではなく、
「途中式は残っているか」
「同じ種類のミスが続いていないか」
「本人がどこで間違えたか言えるか」
を見てあげると、次の学習につなげやすくなります。
計算練習をたくさんすることも大切です。
ただ、同じミスが続いているなら、問題数を増やす前に、間違い方を見える形にし、
そのミスをしないよう気を付けながら、何問かすぐに解き直しをすることを勧めます。
事例2:文章題が苦手な子は、式の前に「求めるもの」を確認する
文章題が苦手な子は、問題文に出てきた数字をすぐに使おうとすることがあります。
でも、文章題では、数字を拾うだけでは式が作れません。
割合、速さ、一次方程式の利用、関数の利用などでは、「何を求める問題なのか」を先に確認する必要があります。
成績が伸びる子は、実際に解く式を書く前に一度立ち止まります。
「何を求める問題か」
「分かっている数は何か」
「単位はそろっているか」
「大まかな式の構成はできているか」
「何を文字で置くのか」
このあたりを確認してから式に入ります。
家庭学習では、最初から親が全部説明しなくても大丈夫です。
まずは、問題文の中で「求めるもの」に線を引く。次に、分かっている数を囲む。
それだけでも、数字だけを拾って式を作るミスを減らしやすくなります。
まずはその意識から持たせてみてください。
事例3:関数のグラフが苦手な子は、グラフに情報を書き込む
関数のグラフが苦手な子は、グラフを見ても「どこを見ればよいか分からない」と感じやすいです。
グラフをただ眺めているだけだと、問題を解く手がかりが見つかりにくいですよね。
そもそもグラフを学ぶ意義は、複雑な内容や、数値の増減を分かりやすくするものです。
分かりやすくするものを「難しく感じる」というのはそもそもおかしな話ですよね。
わかりやすくなるようなグラフが作れるように、グラフ中に情報を書きこみます。
成績が伸びる子は、グラフに情報を書き込みます。
「切片はどこか」
「右に1進むと、上または下にいくつ動くか」
「2つのグラフの交点はどこか」
「xが増えたとき、yはどう変わるか」
こうした情報を、図の中で確認します。
関数は、式・表・グラフがつながる単元です。
グラフだけを見るのではなく、「この特徴は式のどこに表れているのか」「表ではどう変化しているのか」まで確認できると、理解が深まりやすくなります。
家庭学習では、グラフをきれいに写すことよりも、必要な情報を書き込むこむよう意識させてみてください。
事例4:図形問題で手が動きにくい子は、条件を図に書き込む
図形問題で困る子は、図を見ている時間は長いのに、考えが進みにくいことがあります。
この場合、頭の中だけで考えようとしていることが多いです。
成績が伸びる子は、図の中に条件を書き込みます。
分かっている角度、等しい角、等しい辺、平行な線、直角の印、合同や相似で対応する部分。
こうした情報を図に入れていくと、使えそうな性質が見えやすくなります。
図形問題は、「ひらめき」だけで解くものではありません。
分かっている条件を目に見える形にし、その中から使える性質を探していく教科です。
家庭学習では、答えを見て「なるほど」で終わらせず、「どの条件に気づけばよかったのか」「図のどこに書き込めば見えやすかったのか」を確認するとよいです。
事例5:解説を見れば分かる子は、翌日または数日後に1問だけ解き直す
数学でよくあるのが、解説を読んだ直後は「分かった」と言うのに、テストでは似た問題を間違えるケースです。
これは、理解していないというより、まだ自分で解き方を再現できる状態になっていないことがあります。
成績が伸びる子は、解説を読んだその場だけで終わりません。
翌日または数日後に、間違えた問題を1問だけ解き直します。
全部をやり直そうとすると負担が大きくなります。
でも、1問なら続けやすいです。
そのときに見るのは、「最初に何を書けばよいか」「どの公式や考え方を使うか」「前と同じところで間違えていないか」です。
数学では、「解説を読めば分かる」と「自分で解ける」は違います。
家庭学習では、この間を少しずつ近づけていくことが大切です。
テストで「点数を取る」用の学習方法は以下の記事を参考にしてください。
レベル別に極力具体的に書いています。
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数学テスト100点への道【まとめ】
学校の定期テストの数学で100点を取ることはとても難しいことです。 普段50点に達しないお子様にとっていきなり100点を取ることは無理です。 しかし、しっかりステップアップすることで決して無理な事では ...
英語の家庭学習事例|単語・文法・問題形式を分けて確認している
英語は、やっているつもりでも点につながりにくいことがあります。
単語を見ている。
文法を読んでいる。
問題を解いている。
それでもテストで点が伸びにくい場合、学習の目的がぼんやりしていることがあります。
成績が伸びる子は、英単語・英文法・問題形式を分けて確認しています。
| 問題形式 | 家庭学習で見る場所 |
|---|---|
| 空所選択 | 選択肢の構成 |
| 空所補充 | 必要な語形 |
| 書き換え | 何の書き換えか |
| 並び替え | 主語と動詞 |
| 英作 | ミスの少ない基本文 |
| 英文和訳 | 主語・動詞・修飾関係 |
事例1:英単語は、意味・発音・スペル・文の中で確認する
英単語が苦手な子は、単語帳や教科書を眺めて「覚えたつもり」になっていることがあります。
でも、英単語は見るだけではテストで使いにくいです。
成績が伸びる子は、英単語をいくつかの角度から確認します。
英語を見て意味が言えるか。日本語を見て英語が書けるか。発音できるか。短い文の中で使えるか。
たとえば、意味だけ言えても、スペルが書けなければ失点します。
スペルが書けても、文の中で使えなければ英作では困ります。
家庭学習では、「覚えた?」と聞くだけでなく、「英語を見て意味を言える?」「日本語を見て書ける?」「短い文で使える?」と分けて確認すると、英単語の学習が点につながりやすくなります。
事例2:英文法は、文法用語ではなく基本の型で確認する
英文法では、文法用語を覚えることも必要です。
ただ、用語だけを覚えても、問題で使えなければ点にはつながりにくいです。
成績が伸びる子は、英文法を基本の型で確認しています。
たとえば、助動詞なら「助動詞+動詞の原形」。
受け身(受動態)なら「be動詞+過去分詞」。
疑問文なら、動詞や助動詞の位置。
否定文なら、notを入れる場所。
このように、文の形として確認します。
家庭学習では、「この文法を説明できるか」だけでなく、実際に短い文を作れるかを見たいところです。
英文法は、知識として持っているだけではなく、文の中で使えるようにすることが大切です。
事例3:空所選択は、選択肢の構成から問われている内容を見る
空所選択では、成績が伸びる子は選択肢の構成を見ています。
たとえば、同じ動詞で形だけが違う選択肢が並んでいる場合があります。
play
plays
played
playing
このような場合は、意味より先に、主語や時制を見ます。
主語は三人称単数か。時制は現在か過去か。助動詞の後ろではないか。
一方で、選択肢が接続詞の場合は、前後の意味を見る必要があります。
because
but
when
if
このような選択肢なら、文と文の関係を考えます。
理由なのか、逆接なのか、時なのか、条件なのか。
今伝えたいのは細かい文法のお話ではありません。
つまり言いたいことは、空所選択では、選択肢を見た瞬間に「何を問われているのか」を考える練習が大切だということです。
家庭学習では、正解を選んで終わりにせず、「この選択肢の並びは、何を見ればよい問題だったのか」まで確認すると、次の問題に活かしやすくなります。
もし保護者様が、お子さまの勉強を見たりアドバイスするとしたら、上記内容を確認したり、伝えてあげてください。
事例4:空所補充は、意味だけでなく必要な語形を見る
空所補充は、選択肢がない分、自分で入れる語を考える必要があります。
ここで伸びにくい子は、日本語の意味だけで単語を思い出そうとします。
でも英語では、意味が合っていても、形が違うと点にならないことがあります。
動詞の原形なのか。
過去形なのか。
三単現のsが必要なのか。
名詞は単数か複数か。
前置詞が必要なのか。
be動詞が必要なのか。
成績が伸びる子は、空所に入る語の意味だけでなく、文の中で必要な形を確認しています。
家庭学習では、間違えたときに「単語を知らなかった」で終わらせないことが大切です。
本当に単語を知らなかったのか。意味は分かっていたけれど、形を合わせられなかったのか。
ここを分けて見るだけでも、英語の学習は整理しやすくなります。
事例5:書き換え・並び替え・英作・英文和訳は、問題形式ごとに見る場所を変える
英語の問題は、形式によって見る場所が違います。
書き換え問題では、まず「何の書き換えか」を見ます。
疑問文にするのか。否定文にするのか。受け身にするのか。比較の文にするのか。
文全体をなんとなく変えるのではなく、変える場所と変えない場所を分けることが大切です。
またこの手の問題は、日本語として同じ内容になっているかどうかを判断できなければいけません。
つまり国語力が必要です。
並び替え問題では、日本語の順番で単語を並べません。
まず主語と動詞を決めます。そこから、助動詞、目的語、前置詞のまとまりなどを確認していきます。
確実にどの文法でも共通していることから作りましょう。
英作では、難しい表現を使うことより、ミスの少ない基本文を書くことを優先します。
知っている単語で、短く、正確に書く。最後に時制、三単現、複数形、大文字、ピリオドを確認します。
英文和訳では、単語を一つずつ日本語にして終わりにしません。
主語と動詞、時制、修飾語がどこにかかるかを見ます。
英語で成績が伸びる子は、問題をただ解くだけではなく、問題形式ごとに見る場所を変えています。
ここで英語の問題は単語をしっていれば解けるわけではないことがわかるかと思います。
英語を本格的に見直すならこちらの記事も参考にしてください。
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小学生・中学1年のための中学英文法準備 完全ガイド
英語が始まったけれど、何から進めればよいのかわからない。単語は少し書いているのに、文法って何??なんとなくでやって、なんとなくでそこそこ楽しかった小学校での英語。中学1年になってから、英語だけ急に重く ...
国語の家庭学習事例|感覚ではなく、言葉と本文の根拠を確認している
国語は、「なんとなくできる」「なんとなく苦手」と感じやすい教科です。
でも、国語にも家庭学習で見るポイントがあります。
漢字、文法、古文、現代文では、それぞれ確認する場所が違います。
まずは得意としている分野を確実に点にする作業から始め、
次いで苦手とする分野の基礎から始めるというスタンスで行っている生徒が、いずれ大きな成績向上を生みだしていることが多いです。
事例1:漢字は、読み・書き・送り仮名・使い分けを見る
漢字が苦手な子は、何度も書いているのにテストで間違えることがあります。
この場合、練習量だけの問題ではないことがあります。
どこで間違えているのかを分けて見ていないのです。
成績が伸びる子は、漢字をただ書くだけで終わらせません。
読みは合っているか。
形は正しく書けるか。
送り仮名は合っているか。
熟語で使えるか。
同じ読みの漢字を使い分けられるか。
たとえば、「努める」「勤める」「務める」のように、読みが同じでも意味が違う漢字があります。
こうした漢字は、ただ何度も書くだけでは使い分けが身につきにくいです。
家庭学習では、短い例文の中で確認すると、テストで使える形になりやすくなります。
事例2:文法は、用語暗記ではなく文の中で働きを見る
国語の文法で伸びにくい子は、用語だけを覚えようとすることがあります。
品詞名、活用、主語、述語、修飾語。
もちろん知識は必要です。
ただ、文法問題では、実際の文の中で見分ける力が必要になります。
成績が伸びる子は、その言葉が文の中でどんな働きをしているかを見ています。
たとえば、「きれいな花」と「部屋をきれいにする」では、「きれい」の働きが違います。
単語だけを見て判断するのではなく、前後の言葉とのつながりを見る必要があります。
家庭学習では、文法用語を覚えたあとに、実際の文の中で確認する時間を入れるとよいです。
「この言葉は何を説明しているのか」「文の中でどの言葉につながっているのか」を見ると、文法が点につながりやすくなります。
またしっかりした品詞の学習は英文法にもつながります。
事例3:古文は、現代語訳だけでなく主語・語句・場面を見る
古文が苦手な子は、現代語訳を見て「意味は分かった」と思って終わることがあります。
でも、テストでは現代語訳を覚えるだけでは対応しにくい問題もあります。
成績が伸びる子は、古文で「誰がしたことなのか(主語)」「古文単語の意味は何か」「助動詞はどんな意味か」「場面がどう進んでいるのか」を確認しています。
特に古文では、主語が省略されることがあります。
そのため、「誰が何をしたのか」があいまいになると、内容理解がずれやすいです。
家庭学習では、全文を完璧に訳そうとしすぎなくても大丈夫です。
まずは、「誰が」「何をした」「どんな場面か」を確認するだけでも、読み取りは安定しやすくなります。
事例4:現代文は、答えの根拠を本文で確認する
現代文で伸びにくい子は、答え合わせのあとに「合っていた」「間違っていた」だけで終わることがあります。
でも、現代文で大切なのは、正解したかどうかだけではありません。
なぜその答えになるのかを、本文で確認できるかどうかです。
成績が伸びる子は、答え合わせのあとに本文を確認します。
答えの根拠はどこにあるか。
設問では何を聞かれているか。
選択肢のどこが本文と合っているか。
間違いの選択肢は、どこが本文と違うか。
記述問題では、設問の聞かれ方に答え方を合わせることも大切です。
「なぜですか」と聞かれたら、「〜だから」。
「どういうことですか」と聞かれたら、「〜ということ」。
このように、文末の形を合わせるだけでも、答えが作りやすくなります。
国語は感覚だけで解く教科ではありません。
家庭学習では、本文のどこに根拠があるのかを確認することが大切です。
国語の記述問題(書き抜き問題)の詳細は以下の記事を参考にしてください。
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国語記述問題の初歩|書き抜き問題の見方と教え方|家庭で知っておきたい基本ガイド
国語の記述問題、むずかしいですよね。本文を読んでいないわけではなさそうなのに、答えを書く場面になると急にずれてしまう。書き抜き問題なら本文に答えがあるはずなのに、それでも正解にならない。そういう様子を ...
理科の家庭学習事例|用語を現象・図・実験・資料と結びつけている
理科は「暗記科目」と思われることがあります。
たしかに、用語を覚えることは必要です。
でも、理科は用語だけでは点につながりにくい教科でもあります。
物理、化学、生物、地学では、それぞれ見る場所が違います。
事例1:物理は、公式・単位・図・現象をセットで見る
物理分野には、光、音、力、電流などがあります。
ここで伸びにくい子は、公式だけを覚えようとすることがあります。
でも、公式に数字を入れるだけでは対応しにくい問題もあります。
成績が伸びる子は、公式と一緒に、単位、図、現象を確認しています。
何を求める問題か。
単位はそろっているか。
図ではどの向きに力がはたらいているか。
グラフでは何が変化しているか。
家庭学習では、公式を覚えたあとに、「この公式はどんな場面で使うのか」を確認するとよいです。
公式は暗記して終わりではなく、現象と結びつけて使うものです。
事例2:化学は、実験の手順・結果・理由をつなげる
化学分野では、物質、気体、水溶液、化学変化などが出てきます。
ここで伸びにくい子は、物質名や用語だけを覚えようとします。
でも、化学では実験問題がよく出ます。
成績が伸びる子は、実験の手順、結果、理由をつなげて見ています。
何を調べる実験なのか。
どんな手順で行うのか。
どんな変化が起きるのか。
なぜその気体が発生するのか。
質量はどう変化するのか。
家庭学習では、実験結果を丸暗記するだけではなく、「なぜそうなるのか」を確認するとよいです。
また、質量や体積の変化などをまとめた「グラフ」の読み取りも重要になります。
横軸と縦軸の見方、しっかり備わっているか確認したことありますか?
そもそもそれらを確認していないのに、グラフ問題が解けるわけがありませんよね。
理科の化学は、用語と実験を切り離さずに、かつグラフの活用も見ることが大切です。
事例3:生物は、用語を図や働きと結びつける
生物分野では、植物、動物、人体、細胞などが出てきます。
生物は暗記しやすいように見えますが、名称だけを覚えていると、図の問題で迷うことがあります。
成績が伸びる子は、用語を図や働きと結びつけています。
この部分の名前は何か。
図のどこを指しているのか。
どんな働きをするのか。
他の部分とどう関係しているのか。
たとえば、植物のつくりを覚えるときも、名前だけではなく、図の位置や働きとセットで確認します。
人体でも、器官名だけでなく、何をする場所なのかを見ると理解しやすくなります。
家庭学習では、用語を見て覚えるだけでなく、図の中で指しながら確認すると、点につながりやすくなります。
事例4:地学は、資料や時間の変化を読み取る
地学分野には、天気、地層、火山、地震、天体などがあります。
地学で伸びにくい子は、用語だけを覚えようとすることがあります。
でも、地学では資料や図を読み取る問題が多く出ます。
成績が伸びる子は、資料や時間の変化を見ています。
天気図から何が分かるか。
地層の重なりから、どの順番でできたか。
天体は時間とともにどう動くか。
グラフや表から何を読み取るか。
家庭学習では、用語を覚えたあとに、資料を見て説明できるかを確認するとよいです。
地学は、言葉だけでなく、図や資料と一緒に考えることで理解しやすくなります。
社会の家庭学習事例|用語をつながりで覚えている
社会も「暗記科目」と言われることがあります。
もちろん、用語を覚えることは必要です。
でも、成績が伸びる子は、用語を単独で覚えているだけではありません。
地理、歴史、公民で、それぞれつなげ方を変えています。
事例1:地理は、地図・気候・産業・資料とつなげる
地理で伸びにくい子は、地名や用語だけを覚えようとします。
都道府県名、国名、山地、川、平野、農産物、工業地帯。
これらを単独で覚えると、忘れやすく、資料問題にも対応しにくくなります。
成績が伸びる子は、地図、気候、産業、資料と結びつけています。
たとえば、「北海道=酪農」と覚えるだけでなく、冷涼な気候、広い土地、農業の特徴と合わせて見ます。
「太平洋ベルト」と覚えるだけでなく、工業地帯、港、交通、人口との関係を見ます。
地理は、場所と特徴を結びつける教科です。
家庭学習では、地図を見ながら確認すると、用語が頭に残りやすくなります。
事例2:歴史は、原因・出来事・結果で流れを見る
歴史で伸びにくい子は、年号、人物名、出来事名をバラバラに覚えようとします。
もちろん、重要語句は必要です。
ただ、語句だけを覚えても、並び替え問題や記述問題で弱くなりやすいです。
成績が伸びる子は、歴史を流れで見ています。
なぜ起きたのか。
何が起きたのか。
その後、何が変わったのか。
この「原因 → 出来事 → 結果」の形で確認すると、歴史のつながりが見えやすくなります。
家庭学習では、年号を覚えるだけでなく、出来事の前後関係を短く言えるかを見るとよいです。
「この出来事の前に何があった?」
「このあと何が変わった?」
この確認だけでも、歴史の学習はかなり整理しやすくなります。
事例3:公民は、制度・生活・ニュースと結びつける
公民では、憲法、国会、内閣、裁判所、選挙、地方自治、経済などが出てきます。
公民が苦手な子は、用語が抽象的で、実感を持ちにくいことがあります。
成績が伸びる子は、制度を生活やニュースと結びつけています。
国会は何をするところか。
内閣は何をするのか。
裁判所はどんな役割を持つのか。
選挙は生活とどう関わるのか。
税金や社会保障は、どこで自分たちの生活とつながるのか。
公民は、言葉だけを覚えると分かりにくくなりがちです。
家庭学習では、「これは何のためにある制度なのか」「実社会では、大人はどう関係しているのか」を確認すると理解しやすくなります。
ニュースを深く扱う必要はありません。
ただ、教科書の用語が現実の社会とつながっていることを少し見るだけでも、公民への苦手意識は軽くなりやすいです。
5教科に共通する、成績が伸びる家庭学習の見方
ここまで、5教科別に家庭学習の事例を見てきました。
教科ごとに見る場所は違います。
でも、共通していることもあります。
それは、ただやるだけで終わらせないことです。
問題を解いたら、丸つけをする。
丸つけをしたら、間違い方を見る。
間違い方を見たら、次に何を確認するかを決める。
この流れが少しずつ入っている家庭学習は、点につながりやすくなります。
もちろん、最初から全部を完璧にする必要はありません。
毎日、全教科でここまで細かく見るのは大変です。
まずは、1教科だけでもかまいません。
数学なら途中式を見る。
英語なら問題形式を見る。
国語なら本文の根拠を見る。
理科なら図や実験と結びつける。
社会なら用語のつながりを見る。
家庭学習は、「たくさんやったか」だけではなく、「何を確認したか」で変わっていきます。
保護者が家で確認したいポイント
ここで大切なのは、親が全部教えようとしすぎないことです。
中学生になると、親が横についてすべて説明するのは難しくなります。
教科内容も深くなりますし、子ども自身が考える時間も必要です。
だからこそ、親は「答えを教える人」になるより、「見るポイントを持つ人」になる方が現実的です。
| チェック項目 | 見ること |
|---|---|
| 今日の目的があるか | ただ問題を進めるだけになっていないか |
| 丸つけ後に確認しているか | 間違い方を見ているか |
| 教科ごとに見る場所が違うか | 数学と英語を同じ感覚で扱っていないか |
| 次に確認する問題があるか | 解き直しや再確認につながっているか |
| 親が答えを言いすぎていないか | 子ども自身が考える余地があるか |
声をかけるなら、強く追い込む言い方よりも、確認する言い方の方が使いやすいです。
「今日は何をできるようにしようか(目標)?」
「丸つけのあと、何を確認した?」「丸付けしてどんな事わかった?」
「この問題は、どこで間違えたと思う?線を引っ張ってみようか。」
「テストに出たら間違いそうな問題はどれだった?」
このような声かけなら、親が答えを教えすぎずに、子どもの学習を支えやすくなります。
ここまで見てきたように、成績が伸びる家庭学習では、教科ごとに見るポイントが変わります。
まとめ
成績が伸びる子の家庭学習は、ただ長く勉強しているだけではありません。
もちろん、勉強時間は大切です。
ただし、同じ時間でも、その中で何を見ているかによって、学習の意味は変わります。
数学では、途中式、間違い方、図、グラフを確認します。
英語では、単語、文法、問題形式ごとに見る場所を変えます。
国語では、漢字、文法、古文、現代文で確認するポイントを分けます。
理科では、用語を現象・図・実験・資料と結びつけます。
社会では、地理は場所、歴史は流れ、公民は制度の意味と結びつけます。
家庭学習で大切なのは、「やったかどうか」だけで判断しないことです。
今日の目的は何か。
どこで間違えたのか。
次に何を確認するのか。
教科に合った見方になっているか。
まずは、すべてを一度に変えようとしなくて大丈夫です。
今いちばん点につなげたい教科を1つ選び、その教科で「見る場所」を決めるところから始めると、家庭でも確認しやすくなります。
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