「中学生の問題集は、どれを選べばいいのだろう」
書店やネットで問題集を探すと、教科書準拠、標準問題、応用問題、高校受験対策、1問1答、総復習など、たくさんの教材が出てきます。
有名な問題集を買えばよいのか。
分厚い問題集の方が力がつくのか。
それとも、薄い問題集から始めた方がよいのか。
保護者としては、せっかく買うなら子どもに合うものを選びたいですよね。
ただ、中学生の問題集選びで大切なのは、「人気があるか」よりも「家庭学習で使い切れるか」です。
どれだけ評判のよい問題集でも、子どもが自分で解説を読めない、量が多すぎて続かない、答えを見ながら進めてしまう、という状態になると、家庭学習の教材としては使いにくくなります。
今回は、中学生の問題集を選ぶときに保護者が見たいポイントを整理します。
教科ごとのおすすめ問題集に入る前に、まずは「どんな問題集なら家庭学習で使いやすいのか」を確認していきましょう。
中学生の問題集は「有名だから」ではなく「使い切れるか」で選ぶ
中学生の問題集選びでよくある失敗は、評判だけで選んでしまうことです。
「この問題集が有名だから」
「難しい問題が多いから」
「分厚くて内容が多そうだから」
「受験対策に使えそうだから」
このような理由で選ぶと、子どもの今の学力や家庭学習の状況に合わないことがあります。
問題集は、買っただけでは学力につながりません。
大切なのは、子どもが実際に使い、丸つけをし、間違えた問題を確認し、次の学習につなげられることです。
そのため、家庭学習用の問題集では、次の視点が大切です。
| 見るポイント | 確認したいこと |
|---|---|
| 解説 | 答えだけでなく、考え方や途中の流れが書かれているか |
| 図や表 | 文章だけでなく、図・グラフ・表で理解しやすくなっているか |
| 量 | 子どもが最後まで使い切れそうな厚さか |
| レベル | 今の学力より難しすぎないか |
| 目的 | 定期テスト、苦手対策、応用、受験のどれに使うのか |
| 答えの位置 | 答えを見ながら解いてしまいやすい構成ではないか |
| 復習のしやすさ | 間違えたときに、どこを確認すればよいか分かるか |
問題集選びは、「よい教材を探すこと」ではありません。
正確には、「今の子どもが家庭で使える教材を選ぶこと」です。
ここを間違えないことが、家庭学習での教材選びの土台になります。
家庭学習では解説が細かい問題集を選ぶ
中学生の家庭学習でまず重視したいのは、解説の細かさです。
塾や学校の授業では、分からないところを先生に聞けます。
しかし家庭学習では、子どもが問題を解いたあと、自分で解説を読んで理解する場面が多くなります。
そのため、解説が薄い問題集は、家庭学習では使いにくい場合があります。
特に数学や理科では、答えだけ書かれていても、なぜそうなるのかが分からないことがあります。
英語でも、文法の説明が少ないと、間違えた理由が分からないまま次に進んでしまいます。
家庭学習用の問題集を選ぶときは、次の点を見てください。
- 途中式や考え方が書かれている
- なぜその答えになるのか説明がある
- 間違えやすいポイントが書かれている
- 似た問題を解くときの注意点がある
- 解答だけでなく、解説部分が読みやすい
特に大切なのは、子どもが一人で読んでも「どこで間違えたのか」が分かることです。
解説が細かい問題集は、丸つけ後の学習に使いやすくなります。
反対に、解説が少ない問題集は、すでにその単元を理解している子の演習用としては使えますが、苦手な子の家庭学習には向かないことがあります。
図・グラフ・表が多い問題集は理解しやすい
中学生の問題集では、文章だけで説明されているものより、図・グラフ・表が多いものの方が使いやすいことがあります。
特に、混乱しやすい内容は、表で整理されている教材が向いています。
たとえば、英語の時制、理科の化学変化、社会の歴史の流れ、国語の文法、数学の関数などは、文章だけで読むよりも、表や図で整理されている方が理解しやすいです。
| 教科 | 図や表が役立つ内容 |
|---|---|
| 英語 | 時制、不定詞と動名詞、比較、能動態と受動態など「比較表」 |
| 数学 | 関数、図形、証明、割合、文章題(線分図など) |
| 国語 | 文法、品詞、読解の設問整理 |
| 理科 | 各種実験内容、物質、鉱物などの比較表 |
| 社会 | 歴史の流れ(年表)、地理の比較(統計)、公民の制度 |
問題集を選ぶときは、問題の量だけでなく、解説ページも見てください。
説明が文章ばかりで読みにくい場合、家庭学習では子どもが読み飛ばしてしまうことがあります。
反対に、図や表で整理されている解説は、学習内容を視認しやすく、注意を惹きつけ考えるきっかけになります。
もちろん正確には文章で確認したほうが良いのですが、
「読むのが苦手」「説明を最後まで読まない」「言葉だけだと理解しにくい」という子には、図解や表が多い問題集を選ぶと使いやすいです。
「どこを復習すればよいか」が分かる問題集は使いやすい
良い問題集は、問題を解くだけで終わりません。
間違えたときに、どこを確認すればよいかが分かる教材は、家庭学習でとても使いやすいです。
たとえば、解説の中に次のような案内がある問題集です。
- この問題ができないときは、一次方程式を確認しましょう
- 比例・反比例が不安な場合は、先に基本問題を確認しましょう
- 助動詞の意味が分からない場合は、前の単元を確認しましょう
- ここで間違えた場合は、用語の整理から確認しましょう
このような案内があると、子どもが間違えたあとに、次に何をすればよいか分かりやすくなります。
家庭学習で困るのは、間違えたこと自体ではありません。
本当に困るのは、間違えたあとに何をすればよいか分からないことです。
復習する場所が分かる問題集は、保護者がつきっきりで説明しなくても、子どもが自分で確認しやすくなります。
(ただし最初にその問題集の解説の見方に関しては説明してあげてください。)
特に中学生になると、すべてを親が教えるのは現実的ではありません。
だからこそ、問題集そのものが「次に確認する場所」を示してくれるかどうかは、大切な選び方のポイントになります。
最初の1冊はページ数が少ない問題集を選ぶ
家庭学習用の問題集では、できるだけページ数が少なく、最後まで使い切りやすいものを選ぶことも大切です。
分厚い問題集は、内容が多く見えるため、保護者としては安心感があるかもしれません。
しかし、子どもから見ると「まだこんなに残っている」と感じやすくなります。
特に、家庭学習がまだ安定していない子、苦手教科の問題集を選ぶ場合、分厚い教材は負担になりやすいです。
最初の1冊は、次のような問題集が向いています。
- ページ数が少ない
- 1ページの量が多すぎない
- 1日分の学習量が分かりやすい
- 最後まで使い切るイメージを持ちやすい
- 終わったページが目に見えて増える
家庭学習では、「全部やり切った」という経験がとても大切です。
1冊を最後まで使えた経験があると、次の問題集にも入りやすくなります。
反対に、分厚い問題集を途中でやめる経験が続くと、「また終わらなかった」という印象が残りやすくなります。
もちろん、受験期や応用力を高めたい時期には、ある程度の問題量が必要です。
ただし、家庭学習の入口としては、まず使い切りやすい問題集を選ぶ方が現実的です。
答えが問題の近くにある問題集は注意が必要
問題集を選ぶときに、意外と大切なのが答えの位置です。
問題のすぐ近くに答えが書かれている教材は、子どもによっては使いやすいが、効果がないことがあります。
たとえば、問題の下にすぐ答えがあるもの。
左ページに問題、右ページに答えがあるもの。
穴埋めのすぐ近くに答えが見えるもの。
このような構成だと、本人は見ていないつもりでも、答えが視界に入りやすくなります。
すると、子どもは「できた」と感じます。
しかし実際には、答えを見ながら解いていたり、ヒントに頼っていたりすることがあります。
家庭学習では、ここがかなり大きな問題になります。
保護者から見ると、問題集が進んでいるように見えます。
子どもも「できている」と思っています。
しかし、テストになると自力で解けない。
この状態を避けるためには、答えが別冊になっているものや、解答部分を切り離して管理しやすいものを選ぶと安心です。
特に、苦手教科や暗記系の教材では、答えが近くにあることで「覚えたつもり」になりやすいので注意が必要です。
赤シート型や1問1答式はメイン教材にするのは注意する
赤シートで答えを隠す教材や、1問1答式の問題集は、使い方によっては役立ちます。
ただし、家庭学習のメイン教材にする場合は注意が必要です。
赤シート型の教材は、答えを隠しながら覚えられるため便利です。
しかし、ちらっと答えを見ながら進めてしまうと、覚えた気になりやすいです。
1問1答式の問題集も、用語確認には使いやすいです。
ただし、問題の順番で答えを覚えてしまうことがあります。
たとえば、社会の用語を順番通りに答えられても、文章問題や資料問題になると答えられないことがあります。
理科でも、用語だけ覚えていて、実験の理由や計算問題に対応できないことがあります。
そのため、赤シート型や1問1答式は、次のように使うとよいです。
| 教材タイプ | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 赤シート型 | テスト前の確認、短時間の暗記チェック | 答えを見ながら進めると覚えたつもりになりやすい |
| 1問1答式 | 用語確認、弱点発見、総復習の入口 | 問題順で答えを覚えるだけになりやすい |
| 解説が少ない演習教材 | 理解できている単元の確認 | 苦手単元の学習には向かない場合がある |
赤シート型や1問1答式が悪いわけではありません。
ただし、それだけで理解まで完成するとは考えない方がよいです。
用語を確認する教材と、考え方を理解する教材は、役割が違います。
家庭学習では、その違いを意識して選ぶことが大切です。
教科書準拠問題集は「学校の教科書名」を確認して選ぶ
定期テスト対策を目的にするなら、教科書準拠問題集は使いやすい教材です。
ただし、ここで注意したいのは、「教科書準拠」と書いてあるだけで選ばないことです。
中学校では、学校によって使っている教科書会社が違います。
同じ中学英語でも、教科書が違えば本文、単語、文法の順番が変わります。
数学や理科、社会でも、単元の順番や扱い方が違うことがあります。
そのため、教科書準拠問題集を選ぶときは、子どもが学校で使っている教科書会社名と教科書名を確認してください。
見るべきところは、次の3つです。
- 教科書会社名が合っているか
- 教科書名が合っているか
- 学年が合っているか
「中学生用」「教科書準拠」と書かれていても、学校の教科書と違うものを選ぶと、授業の順番と合わないことがあります。
定期テスト対策では、まず学校で配られているワークやプリントが大切です。
そのうえで、学校ワークだけでは足りない部分を教科書準拠問題集で補うと使いやすくなります。
もしくはそもそもの基本の理解を教科書で行いながらその補足物として準拠問題集を利用すると良いでしょう。
標準〜応用問題集は「今より少し上」を選ぶ
教科書準拠問題集だけでは物足りない場合は、標準〜応用問題集を考えていきます。
これは、定期テストの後半の問題、外部模試の難しめの問題、入試につながる思考問題に対応したい子に向いています。
ただし、応用問題集は選び方を間違えると、すぐに難しすぎる状態になり、取り組む時間が無駄になりかねないです。
大切なのは、「今の子どもにとって少し難しい」くらいのレベルを選ぶことです。
とはいえなかなか難しいことだと思うので、目安を用意しました。
- 基本問題は解ける
- 標準問題で少し迷う
- 応用問題は解説を読めば理解できる
- 解説を読んでも分からない問題ばかりではない
感覚的な話になり恐縮ですが、このくらいが目安かと思います。
標準〜応用問題集では、
問題の量だけでなく、解説の質も見てください。
難しい問題ほど、解説が薄いと家庭学習では扱いにくくなります。
また、問題数が多すぎる教材は、家庭では消化しにくい場合があります。
「問題数が多いか」「解説が多いか」だけでなく、
重要なのは、子どもに「必要な問題パターンと解説がそろっているか」を見るという考え方です。
苦手単元特化型問題集は基本から入れるものを選ぶ
苦手単元がはっきりしている場合は、単元特化型の問題集が役立ちます。
たとえば、国語の文法、数学の関数、英語の不定詞、理科の電流、社会の資料問題などです。
苦手単元特化型の問題集を選ぶときは、必ず基本問題から入れるものを選んでください。
もともと苦手な単元なので、いきなり応用問題から始めると、理解しにくくなります。
良い単元特化型問題集の特徴は、次の通りです。
- 基本事項の説明がある
- 例題がある
- 基本問題から始まる
- 少しずつ難しくなる
- ページ数が多すぎない
- 解説が細かい
苦手単元の補強では、たくさんの問題を一気に解くよりも、「なぜ分からなかったのか」を確認することが大切です。
そのため、単元特化型問題集では、薄くても導入説明や解説が丁寧なものを選ぶと使いやすいです。
高校受験用問題集は目的別に分けて選ぶ
高校受験用の問題集は、目的によって選ぶものが変わります。
大きく分けると、次の3つです。
| 目的 | 選ぶ教材 |
|---|---|
| 3年間の内容を一通り確認したい | 総復習系の問題集 |
| 分かっていない単元を簡単に見つけたい | 1問1答や基礎確認系の教材 |
| 入試の問題形式に慣れたい | 過去問・入試対策問題集 |
高校受験用の問題集では、「何のために使うのか」を決めずに買わないことが大切です。
一通り復習したいのか。
苦手単元を見つけたいのか。
入試形式に慣れたいのか。
応用問題まで解けるようにしたいのか。
目的が違えば、選ぶ教材も変わります。
また、過去問を選ぶときは、解答解説の読みやすさを必ず確認してください。
数学の証明、英語の長文、理科・社会の記述問題などは、解説が詰まっていて読みにくいと、家庭学習では使いにくい場合があります。
過去問は「収録年数」だけで選ばず、解説に改行があるか、途中の考え方が書かれているか、復習すべき単元が分かるかを見て選ぶとよいです。
中学生の問題集選びで避けたい考え方
最後に、問題集選びで避けたい考え方を整理します。
| 避けたい考え方 | 理由 |
|---|---|
| 有名だから買う | 子どもの学力や目的に合わないことがある |
| 分厚い方が安心と考える | 最後まで使えず、負担になる場合がある |
| 難しい方が力がつくと考える | 解けない問題ばかりだと学習が進みにくい |
| 答えが近くにある教材をそのまま使う | 答えを見ながら進めてしまうことがある |
| 1問1答だけで完成と考える | 用語暗記で終わり、応用に対応しにくい |
| 学校教材を見ずに市販教材を買う | テスト範囲や授業内容とずれることがある |
問題集は、多ければよいわけではありません。
難しければよいわけでもありません。
大切なのは、今のお子様に合う目的・量・レベル・解説の教材を選ぶことです。
まとめ
中学生の問題集を選ぶときは、
「どの教材が人気か」よりも、「家庭学習で使い切れるか」を大切にしたいところです。
特に見たいポイントは、次の通りです。
- 解説が細かく書かれている
- 図・グラフ・表で理解しやすい
- 間違えたときに復習する場所が分かる
- ページ数が多すぎない
- 答えが問題の近くにありすぎない
- 目的に合っている
- 今の学力より難しすぎない
教科書準拠問題集は、学校の教科書会社名と教科書名を確認して選びます。
標準〜応用問題集は、今より少し上のレベルを選びます。
苦手単元特化型問題集は、基本から入れる薄めの教材が向いています。
高校受験用問題集は、総復習、弱点発見、入試形式対策のどれに使うのかを決めて選びます。
問題集選びは、保護者がすべてを決めるというより、子どもが家庭で使いやすい教材を一緒に選ぶことが大切です。
「この1冊なら最後まで使えそう」
「間違えたあとに自分で確認できそう」
「今の目的に合っている」
この3つを満たす問題集から始めると、家庭学習に取り入れやすくなります。
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