「勉強が得意な子って、やっぱり特別なことをしているのかな」
「早く寝るとか、本をよく読むとか、いろいろ聞くけれど、結局どれが大事なのだろう」
そう感じること、ありますよね。
塾での保護者面談会における相談でも、この問いはとても多いです。
ただ、ここでお話ししたいのは、ノートの取り方や計画の立て方のような「勉強法」ではありません。
毎日の暮らし方、家庭の空気など、
勉強以外の活動です。
この記事では、勉強が得意な子に見られやすい習慣を、
「よく聞くもの」
「こんなものもある」
「まだはっきりしていないが気になるもの」
に分けて、塾講師の視点で整理します。
この記事を読むと、何を優先して取り組んでみるとよいかが分かるようにしました。
勉強が得意な子の「習慣」は、勉強そのものより暮らし方に出る
この記事で見るのは「勉強法」ではなく「生活習慣」
塾で子どもたちを見ていると、
成績が安定している子ほど、生活の土台が大きく崩れにくい印象があります。
- 寝る時間が大きくずれにくい
- スマホに引っぱられすぎない
- 家の中に会話がある
- 勉強以外にも、続けていることがある
こうしたことは、どれも直接「点数アップの技」ではありません。
でも、学ぶ力を下から支えるものとしては、とても大きいですよね。
先に結論:全部をまねるより、土台を崩さないことが先
先に結論を言うと、できる子の習慣の全部を一気にまねしようとしなくて大丈夫です。
というより、まず真似るのは良くありません。
まず見たいのは、「生活が崩れにくいかどうか」です。
睡眠が足りない。
スマホが夜まで続く。
予定が詰まりすぎている。
こうした状態が続くと、よい勉強法があっても入りにくくなります。
まずは、生活の土台を静かに見直すことからで十分です。
勉強が得意な子に見られやすい習慣一覧
| 習慣 | 塾講師としての見解 | 家庭でまず見ること |
|---|---|---|
| 睡眠 | 優先度はかなり高め | 就寝時刻のぶれ、朝の眠気 |
| 運動 | 削る理由が薄い | 週の中で体を動かす時間 |
| スマホとの距離 | 生活全体を崩しやすい | だらだら触る時間、夜の使い方 |
| 読書 | 土台としては有望 | 勉強以外で文字に触れる時間 |
| 親子の会話 | 良いが家庭差が出やすい | 管理だけで終わっていないか |
| 継続している活動 | 居場所と継続経験が育ちやすい | 量が重すぎず続けられているか |
| 手伝い・地域活動 | 面白いが必要ではない | 無理なく関われているか |
よく聞く習慣はどこまで本当か
睡眠が安定している
これはかなり優先度が高いです。
勉強が得意な子は、特別な教材を使っている前に、日中の状態が崩れにくいことが多いんです。
朝からぼんやりする。
夕方に一気にだれる。
イライラしやすい。
こうした様子が強いと、勉強以前のところで消耗してしまいますよね。
大事なのは、「何時間ならよい」と単純に決めることより、寝る時間が毎日大きくずれにくいことです。
「足りているか」も大切ですが、「生活全体が乱れていないか」を見ることも現実的です。
特に小学校高学年以上になると、スマホやゲームなどで生活が乱れることが多くなるので要注意です。
できる子は睡眠時間が「安定」しています。
日常的に体を動かしている
運動をすれば、すぐ成績が上がるわけではありません。
でも、勉強のために運動を全部削るのも、あまり良い方向に行きにくいです。
体を動かす子は、生活リズムがつきやすく、気分転換もしやすいことがあります。
とくに小学生では、「勉強だけ」の毎日より、外遊びや運動の時間がある方が、結果として家庭学習にも入りやすいことがあります。
授業で「体育」があるので、体育の授業に参加されているのであればそれだけでも十分です。
ここで見たいのは、競技レベルではありません。
週の中で、しっかり体を動かす時間があるかどうかです。
できる子は運動が得意でなくても、「適度に運動」している子が多いです。
朝食や食事リズムが大きく崩れにくい
朝食だけを特別視しすぎるのは、少し言いすぎです。
でも、食事の時間が大きく乱れにくい子は、生活全体も崩れにくいことが多いです。
朝食を食べるかどうかだけでなく、
夜が遅すぎないか、
朝が慌ただしすぎないか【後回しにしやすい!】
も含めて見たいところです。
食事は、それ自体よりも、生活リズムの表れとして見た方が良いと感じたことがありました。
スマホは必要な時以外触らない
ここは、今の家庭ではかなり大きい問題なのではないでしょうか。
スマホそのものが悪いというより、
「少しだけ見る」が積み重なって、
時間も集中も細かく削られやすいのが問題です。
勉強が得意な子は、スマホをまったく使わないわけではありません。
ただ、必要な時以外はずっと触り続けない、という距離感ができていることが多いです。
家庭で見るなら、使用時間の長さだけでなく、
「食事中も見ているか」
「宿題の横に置きっぱなしになっていないか」
「やめどきがなくなっていないか」
このあたり見ると距離感を保っているかがわかりやすいのではないでしょうか。
できる子は、やめられないではなく、「必要でないから必要以上に触らない」と判断しています。
勉強とは別に、本を読む習慣がある
これもよく聞きますよね。
実際、勉強とは別に文字に触れる時間がある子は、語彙や文章への抵抗感がなくなりやすいですし、
内容の理解力もつきやすくなります。
ただし、本を読めば「点数が取れるようになる」とまでは言えません。
点数を取るには別の要因が関わってくるからです。
(国語の場合、内容が把握できていても、設問の条件通りの答えの形が用意できているかなど)
また小説など物語文を読んできても、出題されるのは一般的な道徳観などに委ねられて出題されています。
(小説を楽しんでいても問題が解けるようになるかどうかは別です。)
それでも、物語でも図鑑でも漫画でも、
文字のあるものに日常的に触れている子は、学ぶ土台が育ちやすい印象はあります。
しかし、点数を取ることにはただちにつながりません。
勉強以外に継続している活動がある
スポーツでも、文化系の習い事でも、地域のクラブでも、続けている活動がある子は強いです。
注意したいなのは、「何をしているか」より、
「続けられているか」と「生活を苦しくしていないか」です。
続けている活動があると、居場所ができます。
勉強で悩んだり辛くなっても、ストレスを開放する場所があるのは強いです。
これは友達でも言えるので、
安心できる場所を継続して確保できているか、が重要なのではないかと思います。
もちろん家族でもです。
活動の話に戻しますが、勉強以外の活動だと、趣味の分野にも入ってくるので継続しやすいと思います。
継続すると続けてきたこと自体が自身に繋がることも多々あります。
スポーツを続けてきた子が勉強に振り切ったときに急に成績が伸びることがある話、聞いたことありますよね。あれです。
ただし、予定を入れすぎると逆効果です。
帰宅後にへとへとで、睡眠も家庭学習も苦しくなっているなら、量は見直した方がよいです。
特に中学生のスポーツ系の部活動は、度を過ぎていることもあります。
そうなると一気にストレスがたまる場所になってしまいます。
お子さまも周りに影響されて無理していないかだけ注意してあげてください。
ただし、できる子がみんな勉強以外の習い事や活動を続けているとまでは言えない印象です。
また過去に続けていたことがあっても、それが勉強に大きな影響を与えたとは思えません。
本同様に勉強ができるようになるために必要なこととまでは言えないと思います。
ただ、無理にやめさせる必要もないと思います。
あまり語られないが、家庭では見逃しにくい習慣
親が「つきっきりで教える」より、「学びについて会話する」
これは意外に大きいです。
ずっと横について「なんでこんな点数?」「ちゃんと先生の話聞いた?」と聞くより、
「今日はどこが難しかった?」と会話が続くように聞ける家庭の方が、長い目では安定しやすいことがあります。
管理が多くなりすぎると、子どもは「見られているからやる」になりやすいですよね。
一方で、短くても会話があると、自分の学びを言葉にする機会になります。
毎日立派な話をしなくて大丈夫です。
「何が~」だとお子さまが答えにくいようなら、
「今日は算数が大変だったんじゃない?」
「今日の国語はそんな漢字習った?」
と、具体的な教科や物事を出して、答えやすくし、会話が始まりやすいようにしてあげてください。
もちろん最初はもっと日常的な会話から入っても全然OKです。
このくらいで十分です。
できる子は親子の会話時間が長い印象です。
保護者面談でもよくわかります。
家で「言葉」や「数」に触れるやりとりがある
とくに小学生では、ここは見逃しにくいです。
読み聞かせ、しりとり、買い物で数を数える、時刻や順番の話をする。
こうしたやりとりは、派手ではありませんが、土台としてはかなり大事です。
「勉強しなさい」と言わなくても、日常の中で言葉や数に触れていることが多いです。
その積み重ねが、あとから効いてくることもあるんですよね。
あと言語能力が高い生徒は、保護者様もしっかりした言葉でお話しさせる印象が強いです。(主語述語が明確。)
家族で一緒に食事をとる
これは、朝食の話とは少し別です。
何を食べているかなどの栄養そのものより、
家族の会話や家庭の落ち着きです。
学力への直接の効果を強く言い切るのは難しいですが、
一緒に食事をする時間がある家庭は、親が子どもの様子の変化に気づきやすくなります。
短くても、同じ食卓に座る時間があることには意味があります。
ただし、現在は働き方が多種多様なので、難しい場合もありますよね。
大切なのは、定期的に一緒に食事を摂ることだと思います。
不安定だと子供の心も不安定になり、落ち着かなくなると思います。
寝室にスマホや端末を置かない
これは、かなり実行しやすいです。
日中の使い方ではなく、夜の環境を変える話なので、家庭でも決めやすいですよね。
寝る前にだらだら見てしまう。
通知が気になって眠りが浅くなる。
朝起きてすぐ見てしまう。
こうした流れを減らしやすいのが、寝室に持ち込まない形です。
ただし、できる子は質の良い睡眠をとりたいからスマホを寝室に置かない、というより、
眠いから寝る。寝るのにスマホは必要ない。
という当たり前の行動でスマホをいちいち寝室に置かないのです。
実際、塾の生徒に聞いたときに、また明日の朝見れるし…と言っていました。
ごもっとも。
芸術系の活動を続けている
運動系の話はよく聞いても、音楽や美術の話はあまり出ませんよね。
でも、芸術系の活動にも十分価値があります。
集中して取り組むこと、表現すること、続けて積み上げること。
こうした経験は、勉強とまったく無関係ではありません。
特に音楽やダンスはリズム感が養えて、勉強にもリズムを持ち込んで集中しやすいということは聞いたことがあります。
絵画や音楽は、中世から貴族たちがこぞって行っていたので勉強に寄与していることは間違いないと思います。
絵画は数学の図形を平面で捉えることがしやすくなりますし、音楽の規則性が数学に通ずるところはあります。
ただし、ここは運動ほどはっきり言いやすいわけではありません。
上記のように他の間案日にもつながるという意識で取り組んでいる子は…ほぼいないんじゃないかと思うからです。
十分ありそうですが、強く言い切りすぎない見方が自然です。
まだはっきりしていないが、気になる習慣
家の手伝いをしている
これは面白い論点です。
家の手伝いをしている子は、自分の役割を持ちやすく、順序立てて動く経験も増えます。
ただ、ここはまだ「だから勉強が得意になる」とまでは言えません。
関係はありそうですが、はっきりしていない部分もあります。
それでも、身の回りのことを自分で進める練習としては、十分意味がありますよね。
ボランティアや地域活動に参加している
中学生以上では、とくに気になるテーマです。
学校以外の場所で人と関わる経験は、自分の見え方を広げることがあります。
ただし、小学生にそのまま広げるには推測が混じります。
ここも、「面白いが、まだはっきりしていない」と見るのが自然です。
協力して人に感謝してもらうことをする、という社会貢献が学びの意識を促進させることはあるかもしれません。
結局、家庭では何から見直すべきか
優先度が高いのは「睡眠・スマホ・生活の安定」
情報をたくさん知ると、全部やりたくなりますよね。
でも、いきなり増やしすぎると続きません。
まず見たいのは、
「睡眠」
「スマホとの距離」
「食事を含む生活リズム」
の3つです。
ここが崩れていると、ほかのよい習慣も入りにくくなります。
次に見るのは「会話・読書・継続活動」
土台を見直したうえで、次に見たいのは、
「家族の会話」
「本や言葉に触れる時間」
「続けている活動」
です。
ここは、一気に増やすより、今あるものを少し育てる方がやりやすいです。
たとえば、会話を5分増やす、寝る前のスマホの代わりに本を開く、活動の詰め込みを減らす。
そのくらいでも十分です。
増やしすぎると逆効果になりやすいもの
習い事も、活動も、よいものだからこそ増やしたくなりますよね。
でも、予定を入れすぎると、睡眠も食事も苦しくなりやすいです。
「よいことを足す」より、まず「苦しくしているものを減らす」。
この順番の方が、家庭では続けやすいことが多いです。
わが家の生活習慣 点検チェック
□ 就寝時刻が日によって大きくぶれにくい
□ 寝室にスマホや端末を持ち込まない
□ 週の中で体を動かす時間がある
□ 食事の時間が大きく乱れにくい
□ 本や言葉に触れる時間がある
□ 家族で短くても会話する時間がある
□ 続けている活動がある
□ 予定を入れすぎて、毎日が苦しくなっていない
全部そろっていなくても大丈夫です。
ひとつでも、「ここは変えられそう」と思うところが見つかれば十分です。
生活習慣を家庭ごとに点検したいときは、「成績上位家庭行動リスト」のようなチェック型のものを使うと、見直す順番が分かりやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
後半は結構おもしろいものもありましたよね。
私もまとめていてとても興味深くなりました。
勉強が得意な子の習慣というと、特別な勉強法を思い浮かべやすいですよね。
でも実際には、生活の土台が崩れにくいことの方が、ずっと大事だったりします。
とくに優先して見たいのは、睡眠、スマホとの距離、生活リズムです。
そのうえで、家族の会話、本や言葉に触れる時間、勉強以外に続けている活動があると、学ぶ土台は安定しやすくなります。
家の手伝いや地域活動のように、面白いけれどまだはっきりしていないものもあります。
こうしたものは、強く言い切るより、「良さはありそう」と見るくらいがちょうどよいです。
家庭で一度に全部変えなくて大丈夫です。
まずはひとつ、できそうなところから始めてみてください。
次に読むべき記事
全体像から見たいときは→「学習習慣・環境 完全ガイド(格差を広げない家庭設計)」
生活習慣、家庭環境、親の関わりをまとめて確認できます。今回の記事の位置づけが分かり、何を優先して見ればよいかを広い視点でつかみやすくなります。
https://kategakublog.com/p5-learning-habits-environment-complete-guide-ge-chai-woguang-genai-home-she-ji/
家の中をどう見直すか知りたいときは→「学習環境の整え方 C25」
睡眠やスマホの話を読んで、「では家で何を変えるか」が知りたいときに役立ちます。学びやすい環境を家庭でどう見ていくかを具体化できます。
https://kategakublog.com/c25-learning-environment-setup/
読んだあとに行動へ落としたいときは→「成績上位家庭行動リスト SL7」
知識だけで終わらせず、わが家でどこから見直すかを確認できます。小さく始めるための点検に向いています。
〈制作中〉