こんにちは。
現役の塾教室長兼講師のトトです。
講師歴は10年になります。
「国語 記述問題の教え方-初心者編」の第4回目となります。
前回お話しした「書き抜き問題の基本」からの続編になります。
前回の内容をまだお読みで無い方は必ずこちらからご覧ください。 こんにちは。 現役の塾教室長兼講師のトトです。 講師歴は10年になります。 「国語 記述問題の教え方-初心者編」の第3回目となります。 今回は「書き抜き・抜き出し問題の基本」です。 テク ... 続きを見る
書き抜き・抜き出し問題の教え方【国語 記述問題の教え方-初心者編③】
さて、書き抜き問題でといっても様々な問題があり、「その問題種別に合わせた考え方・探し方で正解率を上げる」というお話しをしました。
今回から問題パターン別に、考え方・探し方のコツをお話ししていきます。
順に記事にして行きます。
作成予定の内容一覧です。
書き抜き問題 問題パターン別 記述問題教え方一覧
- 指示内容書き抜き問題
- 言い換え書き抜き問題
- 意見書き抜き問題
- 心情書き抜き問題
書き抜き問題でもさらに問題パターン別に注意点を挙げていきます。
その中で今回は
「1.指示内容書き抜き問題」
です。
目次です
step
1指示語書き抜き問題とは
step
2文末表現に合う内容を探す
step
3指示語の探し方
step
4字数の確認<初めと終わりの~にも注意>
step
5<重要>「一語」に注意
では一つ一つ見ていきましょう!
目次
1.指示内容書き抜き問題とは
指示語書き抜き問題とは、
例
傍線①「そのとき」とは、どのようなときのことか、十六字で書き抜きなさい。
のような問題です。
書き抜き問題としてはオーソドックスな問題パターンですね。
指示語が入っている事もポイントです。
では解き方、教え方のポイントに移りましょう!
2.文末表現にある内容を探す
先の例題の解答例としては、
「友達が私の事を気遣ってくれたとき」や
「お母さんが私の書く仕事に気づいた瞬間」など、
文末表現の「とき」に合せるだけではなく「とき」に関する語句で締められている箇所も探します。
比較的簡単な問題では、「~のとき」が本文中にあるのですが、
少し難しくなると本文中には「~の瞬間」「~の間」など
「ときを示す別の熟語で表現されている」事があるので、
そういう問題の時は、まずは「とき」を表す言葉について整理してあげて下さい。
ココがポイント
文末表現はその内容を表す別の熟語でも探す
3.指示語に合う内容を探す
さらに「その」という指示語から内容一致をしていきます。
基本的に指示語は「代名詞」でもあるので、何かの「代わり」なのですよね。
なので一般的に、「指示語はその文の前を見ましょう」という指導がなされます。
ここで重要なのが、国語の問題に慣れていないお子様の場合、
その言葉通り、ただ「前を見る」しかしていない事があります。
眺めるといった方がイメージしやすいでしょうか。
ここで、文末表現通りに探していれば、かなり答えであろう部分は絞れてくるかと思います。
指示語しかない場合
「傍線部①それにあてはまる語を〇〇字で書き抜きなさい」
というように「指示語しかない」場合は、
基本的に「体言止め(名詞で終わる)」を参考にするよう教えてあげて下さい。
答えの例としては、
「私が買い忘れたもの」
「止まってしまった時計」
「友達を嫌いだと言ってしまったこと」
「おばあちゃんに買ってもらった鉛筆」
「嬉しいと感じた気持ち」
などです。
ココがポイント
指示語を探す時、眺めているだけになっていないか確認する
4.字数の確認<初めと終わりの~にも注意>
文末表現と指示語の探し方である程度「これだ」という語句が見つかるかと思います。
そうしたら最後に「字数」を確認してください。
字数を数えるときは、最後から数えましょう。
(もちろん書き抜きなので、句読点があるときはそれも一字と捉えて下さいね。)
上からだと、字数を超えている場合でも、
「字数が合っていてほしい」
「字数は間違いないはずだ」
という期待から数え間違えてしまう事もあります。
なので、選んだ部分の最後から逆に数えていってください。
これ、結構有効です。
ココがポイント
字数は逆順に数える
「初めと終わりのの〇〇字を書き抜きなさい。」に注意
そしても字数確認で重要な事がもう一つ。
書き抜き問題には、書き抜きパターンとして、
「初めと終わりのの〇〇字を書き抜きなさい。」
という問題があります。
解答欄には「▢▢▢▢▢~▢▢▢▢▢」のようになっているものですね。
これも基本的にはこれまで説明した内容で確認し、最初と最後の文字を書くだけなのです。
「一文」に注意!
しかし、この問題パターンでは、
「○字で選んで…」
ではなく
「一文を選んで…」
と出題されている場合も多々あります。
「一文?字数合わせは不要なの?!」
はい、不要です。
しかし、生徒の中にはこの「一文」が何を指すのかよく分っておらず、書き抜く箇所がずれている事がありました。
一文とは、句点で終わっている、一つの文の事です。
わかりやすく言うと、前文の「。」~「。」までです。
例えば
「今日はここに泊まろうと思う。しかし明朝には出発する予定だ。」
という文章があるとき、
「今日はここに泊まろう。」
と
「しかし明朝には出発する予定だ。」
はそれぞれ一文です。
前文の「。」~「。」までという事を知らないと、
本来「しかし明朝には出発する予定だ。」が書き抜く内容だとした場合、
「しかし」を省いて、「明朝には出発する予定だ。」を書き抜くという無駄な心遣いを発動させる生徒もいました。
これでは✕になります。
国語が苦手な生徒は、意外と「一文」を正しく書き抜いている事が少ないな、という印象があります。
ココがポイント
一文は「。~。」まで
そして、
初めと終わりの○字を抜き取るのですが、
ここでも注意点があります。
初めの○字での注意点
例えば「…一文を選んで、はじめの五字を書き抜きなさい」の場合で、
本文が「そのとき、私は…」という内容の箇所が該当部分だとするとき、
正解は「そのとき、」です。
「、」(読点)も一字として扱います。
でも、最後の部分を「、」で置いたままにすると何か気持ち悪く感じる生徒がいました。
何故かと言うと、作文ではその行の終わりに「、」が来るときは「文字のマスに一緒に書く」というルールがありますからでした。
そのイメージがあるので、その生徒は「、」で締める事を気持ち悪く感じたのです。
その生徒は「そのとき私」と書いていました。
これは✕です。
こういったときは、
そのまま書き抜く必要がある理由をしっかり教え、
作文とは異なるという事も明確に教える必要があります。
ココがポイント
初めの○字では読点が最後に来ても大丈夫
終わりの○字での注意点
終わりの○字はそこまで間違えている生徒は見た事がないのですが、あえて一つ上げるなら、
一文を書き抜く問題のとき、最後に「。」も入れるという事ですね。
5.<重要>「一語」に注意
最後に、問題の条件の中に「一語で答えよ」というものがあります。
解き方や考え方はこれまで説明した通りなのですが、
この「一語」、「一字」と混同している生徒がいました。
「一語」は言い換えると「一熟語」です。
例えば「笑顔」や「クリスマス」なども一語です。
複数の文字で構成された一つの意味を持つものです。
「一字」はそのまま「一つの文字」です。
例えば「顏」や「月」などですね。
読んで字のごとく「ひと文字」です。
一語を一字として勘違いしている場合、永遠に答えに辿りつかない場合があります。
お子様が勘違いしていないかすぐに確認する事を勧めます。
ココがポイント
一語は一字ではない
まとめ
さていかがでしたでしょうか。
かなり細かく書かせていただきました。
国語が本当に苦手なお子様は、
・文末表現に合せる
・指示語内容を探す
という二つを確認させるという事に徹底して下さい。
教え方の手順をまとめます
指示内容書き抜き 教え方手順
- 文末表現に合せる
- 指示後内容を確認する
- 字数を確認する
この3つをしっかりおこなったかどうかを確認してあげて下さい。
間違っている場合はこの3つに従って一緒に考えてあげて下さい。
ポイントまとめです。
教えるときのポイントまとめ
- 文末表現はその内容を表す別の熟語でも探す
- 指示語を探す時、眺めているだけになっていないか確認する
- 字数は逆順に数える
- 一文は「。~。」まで
- 初めの○字では読点が最後に来ても大丈夫
- 一語は一字ではない
一緒に楽しく学んでくださいね!
積み重ねが大切です。
できる事から一つずつ!
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