「声をかけても、なかなか机に向かわない」
「片づけても、すぐ元どおりに散らかる」
「スマホやゲームが気になるのは分かるけれど、取り上げると反発が強い」
ありますよね。
親としては、勉強の内容より前のところで毎回止まってしまう感じがして、しんどくなりやすいと思います。
でも、こういうときは、子どものやる気や性格だけで判断しない方がよいことがあります。
先に確認してほしいのは、「勉強しやすい配置になっているかどうか」です。
この記事では、家庭学習の環境をどのように整理すると、勉強を始めやすくなるのかをお話ししていきます。
これは「立派な勉強部屋を作る」ことではありません。
家の中で、まずどこ(学習環境)を変えると良いかが分かる内容です。
学習環境は「きれいな部屋づくり」ではない
学習環境というと、「勉強机をきれいにする話かな」と思いやすいですよね。
もちろんきれいにするに越しことはないのですが、
でも、本当に見たいのは「きれいさ」ではありません。
大事なのは、座ったら始めやすくて、途切れず続けられる状態かどうかです。
この記事で見るのは、大きく2つです。
- 物理環境
- 誘惑の配置
物理環境とは、書く面があるか、必要な物が取れるか、戻しやすいか、という話です。
誘惑の配置は、スマホ、ゲーム、動画、漫画のように、気持ちを引っぱりやすい物が近すぎないか、という話です。
ここが整理できると、「声かけを変える」より前に家庭学習をするお子さまの姿が見えくるかもしれません。
まず見直したい物理環境は5つ
1. 勉強するスペースが空いている
机に向かったとき、まず片づけから始まる状態だと、それだけで入りにくくなります。
たとえば、
- 昨日のプリントが残っている
- 食後の物がダイニングに残っている
- 置き時計や小物で書く面が狭い
こういう状態ですね。
親が先にやることは、机の上に常に置く物を絞ることです。
机の上は飾る場所ではなく、書く面として考えたほうが進みやすいです。
子どもが毎日やることは、小さくて大丈夫です。
「全部片づける」ではなく、まず机の真ん中を空けるくらいで十分です。
2. 必要な物がすぐ取れる
勉強を始める前に探し物が起きると、それだけで流れが切れます。
- 鉛筆がない
- 消しゴムが見つからない
- 宿題プリントがいろいろな場所にある
- タブレット学習なのに充電がない
こういう状態は、内容の前に疲れてしまいやすいですよね。
ここで大事なのは、最初から細かく分けすぎないことです。
まずは、
- 「学校の物を置く場所」
- 「今日やる物を置く場所」
の2か所で十分です。
きれいに分類するより、1、2アクションで取れることのほうが大事です。
3. 終わったら戻しやすい
片づけてもすぐ散らかるときは、だらしなさより、戻しにくさが先にあることも多いです。
- 戻す場所が決まっていない
- 引き出しがいっぱいで入らない
- 分類が細かくて迷う
こういう状態だと、結局机の端に置きっぱなしになりやすいですよね。
ただし、「ぴったり収納」を目指さなくて大丈夫です。
むしろ、投げ込めば戻せるくらいのざっくりさのほうが続きやすいです。
机の上は作業面、机の近くに戻し場所。
この分け方にすると、かなり見通しがよくなります。
4. 余計な物が視界に入りにくい
机の前にいろいろ見えていると、それだけで気持ちが散りやすくなります。
- 推しグッズ
- おもちゃ
- シール帳
- 使わない色ペン
- 工作用品
こういう物は、悪い物ではありません。
ただ、勉強の時間には少しだけ距離を取ったほうが勉強に入りやすいことがあります。
このとき大事なのは、急に全部なくさないことです。
「好きな物はそのままでいいよ。勉強の間だけ置き場所を変えてみようか」として、本人に残す物を選ばせるほうが進みやすいです。
5. 無理のない姿勢で書きやすい
見落としやすいのですが、書きにくい姿勢も入りにくさにつながります。
- 机の上が埋まっていて体をねじって書いている
- 机と椅子の高さが合っていない
- 足が床につかず落ち着かない
- 手元が暗い
- ライトが近すぎてまぶしい
こういう状態だと、集中する前に体が疲れてしまいやすいですよね。
ここは細かい寸法までこの記事で話すより、まず簡単に確認してみてください。
- 足がつくか
- 肩が上がりすぎないか
- ノートを正面に置けるか
- 手元が暗くないか
まずはこのあたりを見れば十分です。
それでも書きにくいなら、机・椅子・ライトは別の記事で詳しく見ていきます。
誘惑は「禁止」ではなく「位置」を変える
ここは大事なところです。
スマホやゲーム、動画、漫画を悪者にすると、話がこじれやすくなります。
ここでおこないたいのは、禁止することではありません。
勉強の間だけ、目に入りにくく、手が届きにくくすることです。
スマホは机上から外す
机の上にスマホがあると、通知が見えるだけでも意識が向きやすいですよね。
大人でもそうです。
おすすめなのは、たとえば次のような置き方です。
- 後ろの棚の2段目に置く
- ランドセル、鞄の外ポケットに入れる
- 机とは異なる場所に「一時保管トレー」を作る
「預かる」より、
「勉強の間だけ机から外しておこうか」のほうが受け入れられやすいです。
預かると、「バツで取り上げられている雰囲気」がでしまい、やる気を削いでしまいます。
ゲームは箱にまとめて机の横から外す
ゲームは、机のすぐ横にあると気持ちがそちらへ向きやすいです。
- 本体とコントローラーをふた付きの箱へ入れる
- 棚の下段に置く
- 別の場所へ移せないなら布をかける
こんな形でも変わります。
たとえば、
「ゲームはここにまとめて入れておくね。使えなくするんじゃなくて、勉強の間の置き場所を変えるだけにしよう!」
子供も納得しやすいのではないでしょうか。
動画は「見ないようにする」ではなく、親が置き方を変える
テレビやスマホ動画は、家族全体の協力をもらい、流す時間を規制すると他の家族にも負担をかけることになり、できれば避けたいところですよね。
また、本人の自己努力に任せて、子どもに「見ないでね」と言っても…まぁなかなか難しいですよね。
だから、ここでは見え方を変えることに絞ります。
- 勉強中のスマホ置き場を、机の外に決めておく
- 動画を見る場所と勉強する場所を分ける
- 机の近くに充電場所を作らない 【おすすめ】
- 勉強用タブレットは教材だけ開いた状態で使う
- テレビは消すのではなく、まず座る向きを変える
「消す」「禁止する」ではなく、
勉強の場所と動画を見る場所を分ける感覚ですね。
漫画は机の上から排除
漫画も、全部なくす(捨てる)必要はありません。
ただ、表紙や背表紙が正面にあると、「あとで読もう」がずっと目に入ります。
- 後ろの本棚にまとめる
- 今よく読む物だけ箱に入れて少し離す
- 本棚に残すなら背表紙が見えない向きにする
このくらいでも変わることがあります。
親が先に変えること、子どもが毎日やること
「言ってもやってくれないんですよね」
これは本当にそうですよね。
最初から子どもに全部任せる形だと、何をどう動かせばよいか分かりにくくて止まりやすいです。
なので、ここは役割を分けたほうが楽です。
| 状態 | 親が先にやること | 子どもが毎日やること |
|---|---|---|
| 机の上が埋まっている | 置く物を減らす | 真ん中を空ける |
| 探し物が多い | 置き場を2か所に絞る | 使ったら戻す |
| 片づけても散らかる | 戻し場所を近くに作る | 終わったらそこへ戻す |
| 気になる物が多い | 視界から少し外す | 今使う物だけ出す |
| スマホやゲームが近い | 置き場所を変える | 勉強中は机に置かない |
親が先にやるのは、
- 量を減らす
- 置き場を決める
- 戻しやすくする
- 距離を変える
子どもが毎日やるのは、
- 今使う物だけ出す
- 終わったら戻す
- 机の真ん中を空ける
このくらいで十分です。
「全部片づけて」だと広すぎます。
最初のうちは「今日は真ん中だけ空けようか」くらいまで小さくしたほうが動きやすいです。
迷ったらこの順で見る
全部一気に変えようとすると疲れますよね。
なので、迷ったらこの順で見てください。
- 書く面があるか
- 必要な物が取れるか
- 戻しやすいか
- 正面に気になる物が多すぎないか
- 無理なく書けるか
- スマホやゲームが近すぎないか
ここまで読んだら、一度今の状態を点検してみると整理しやすいです。
家庭学習環境チェック表
| チェック項目 | ✅はい /▢いいえ |
|---|---|
| 机の真ん中が空いている | ▢ |
| 今日やる物がすぐ取れる | ▢ |
| 終わったあと戻す場所がある | ▢ |
| 正面に気になる物が少ない | ▢ |
| スマホやゲームが机の近くにない | ▢ |
| 体をねじらず書ける | ▢ |
| 手元が暗くない | ▢ |
「いいえ」が多いところが、今の見直しどころです。
今日変えるのは1か所だけでいい
ここも大事です。
最初から全部変えようとすると続きません。
今日はたとえば、
- 机の真ん中だけ空ける
- 今日やる物の場所だけ決める
- 戻し場所を1つ作る
- スマホの位置だけ変える
この1つで十分です。
環境を整理しても始まらないときは別テーマへ
環境を見直しても、まだ入りにくいことはあります。
そのときは、この記事の外のテーマです。
- 毎日の流れが続かない → 勉強習慣の記事へ
- 親の関わり方で止まりやすい → 親の支援の記事へ
- まず今の状態をまとめて点検したい → チェックリストへ
ここは分けて考えたほうが整理しやすいです。
まとめ
学習環境は、立派な勉強部屋を作る話ではありません。
大事なのは、座ったら始めやすくて、途切れず続けられる状態かどうかです。
見直したいのは、まずこの2つです。
- 物理環境
- 誘惑の配置
物理環境では、
- 書く面があるか
- 必要な物が取れるか
- 戻しやすいか
- 余計な物が見えすぎないか
- 無理なく書けるか
を見ます。
誘惑の配置では、
- スマホ
- ゲーム
- 動画メディア
- 漫画
を、禁止ではなく位置の見直しで考えます。
そして、親が先に変えるのは環境です。
子どもが毎日やるのは、小さな維持だけで十分です。
「やる気がないから」で止まる前に、
まずは今日、1か所だけ変えてみる。
最初の一歩は、それで十分です。
次に読むべき記事
家庭学習全体の見取り図を整理したいときは→「学習習慣・環境 完全ガイド(格差を広げない家庭設計) 」
環境の問題なのか、習慣の問題なのかを切り分けやすくなります。家庭学習全体をどこから見ればよいかもつかみやすくなります。
(準備中)
机まわりは見直した。次は毎日の入り方を整理したいときは→「勉強習慣を作る方法 」
「始めるまでに時間がかかる」「続かない」を、毎日の流れから見直しやすくなります。環境の次にどこを見るかも分かります。
https://kategakublog.com/c21-study-habits-make-how-to/
今の家庭学習環境をそのまま点検したいときは→「家庭学習チェックリスト」
読んで終わりにせず、家の中の状態を一つずつ確認できます。どこから手をつけるか迷うときにも使いやすいです。
(準備中)