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国語

国語の読解・記述を教える際に気を付けるべきポイント【国語 記述問題の教え方-初心者編①】

国語 読解 親子 家庭学習

こんにちは。

現役の塾教室長兼講師のトトです。

講師歴は10年になります。

 

今回は国語の読解問題、やっかいですよね。

漢字や語句問題はなんとか知識(暗記)で補えても、

「読解は水物」だと言われたりもします。

 

親「読解問題がなかなか取れなくて、どうしたらいいでしょうか…。」

講師「そうですねぇ、得意な文が出れば割と取れているのですが…、練習あるのみですね。」

 

これ、よくある問答だと思います。

しかし、国語はどんな問題が出ても点数が取れるようにならなければ意味がありません。

上記のように「得意な文だけ読める」というのでは困りますよね。

 

そこで今回は、国語の読解問題を子供に教える際に、

「親が注意するべき事」を中心にお話ししていきます。

中学受験、高校受験、大学受験、どの生徒にも共通する「読解問題初心者さん」へ向けた内容となっています。

 

テクニック的な事は追々記事にしていきますが、まずは心構えといったところを見ていきましょう。

 

今回の目次です。

step
国語の読解問題は多きく分けて2種ある

step
「本を読めば点数が上がる」はウソ

step
読み方の大きな違い

step
問題作者に合わせた答えを用意する必要がある

 

では一つ一つ見ていきましょう。

1.国語の読解問題は多きく分けて2種ある

さて、国語の読解問題は大きく分けて2種類あります。

読解問題の種類

① 物語文(小説)

➁ 説明文(論説)<随筆文>

物語文は、いわゆる「架空の話し」ですね。実体験に基づいたノンフィクションなどもありますが、受験で出てくるのはほぼ「架空の話し」です。

説明文は、「何か物事や仕組みなどを深く思考し、研究(実験)し、その結果得た考え」が書かれています。

※随筆というジャンルもありますが、随筆は筆者が経験・体験したことをもとに、わかった事をもとに書かれているので、どちらかというと説明文寄りです。

※細かいテクニックとなると、説明文と随筆では若干異なる部分もありますが、今回は初心者編ですので詳細は省きます。

この2つ、文の構成が全く異なるので、

お子様の模試の結果などを見られるときは、

必ずいくつかの模試の結果で「物語文」「説明文」のどちらが間違っている事が多いのか、を確認する必要があります。

ひとくくりに「読解が悪い」とすると指導内容にミスが出てきます。

ココがポイント

物語文と説明文で読み方も大きく異なるという事を理解しておく

 

2.「本を読めば点数が上がる」はウソ

暗記できない 小学生 中学生

よく保護者面談で、「この子、本読まないんで…、だから国語が悪いんだと思うんです。どうすれば読むようになりますか。」

という相談を受けます。

結論から言うと、「本を読めば国語で点数が取れる」というのは迷信です。

 

読むこと自体は悪くありません。

ただしそれで点数が取れるかどうかは別です。

 

特に「ただ読ませているだけ」は点数を取るための勉強としては時間の無駄です。

 

本は好きで読んでいるのに国語の点数が悪い生徒を何人も見てきました。

 

さらに僕は学生時代国語の点数や偏差値が良かったです。

でも小説や論説文を読みだしたのは大学生になってからです。

それまで一度も本1冊読み切った事がありませんでした。

漫画はめちゃくちゃ読んでましたけどね!

それでも偏差値65~70は取れていました。

いわゆる「文字だけの本」を読まなくても点数は取れます。

 

仮に本を読ませて国語の点数を上げさせたい場合は、

「読ませ方」を教える必要があります。

ただし、それは国語の読解問題の演習をいくつもこなし、出題例がたくさん頭に入れば、

本を読みながら、

「この辺が出題されそうだな」

とか

「この部分絶対重要でしょ」

などがわかってくるので、

点数を取らせるために本を読ませたい、というのであれば、まずは読解問題のトレーニングをしてから、という事になります。

 

何度も言いますが、

点数を取らせるために「ただ本を読ませているだけ」、は時間の無駄です。

 

ちなみに

「本を読ませるにはどうしたらいいでしょうか。」への答えですが、

「お母様は本を読まれていますか?」と聞きます。

そうすると「全然読みません」と返ってくる事が多いです。

本を読ませたければ、親自身が「読む事」を行動で子供に示しましょう。

 

ココがポイント

本を読むだけでは点数は上がらない

 

3.読み方の大きな違い

さて今度は「読み方」の違いです。

国語の読解問題で出てくる文章は大きく分けて、「物語文」と「説明文」だとお伝えしました。

この2つの大きな違いを知っていないと、子供に指導するときに、ぶっきらぼうな説明になってしまいます。

もちろん、先に紹介した簡潔な内容だけではダメです。

どのような違いがあるのか、見ていきましょう。

物語文

間違いを褒める 家庭学習 勉強するようになる

物語文は、

場面や登場人物の感情、そして比喩表現を解釈する事が重要です。

が、そんな事はどの参考書にも書かれています。

学校でも習っているので、子供でも十分理解できているはずです。

物語文は幼い頃に絵本を多少なりとも読んでいるせいか、説明文と比べて読みやすいという生徒が多いです。

また、感情移入しやすいので、比較的読解問題も説明文よりかは取れている生徒が多いです。

 

しかし、物語文、点数が取れない生徒がいるんですよね。

なぜ「読めている」はずなのに「読めていない」とされる事があるのでしょうか。

 

これは物語文が「感情移入しやすい」という特性にあります。

物語文(小説)はもっぱら大多数の人が持っている「道徳観」の上に作品が作られていて、

その大多数の道徳観の元に「すばらしい」などの評価がなされている事が多いです。

でも「道徳観」や「価値観」なんて、人によって微妙に違いますよね。

 

例えばその文を読んで、

まだ「悲しい」ととらえる事が難しい年齢の場合

もしくは悲しいという経験が乏しい子の場合、

 

悲しいということがどういう事なのかわかりません。

 

例えば、人をなぐって何も感じない子に、なぐられて悲しいという表現をよんでもピンとこないと思います。

そういう事です。

 

比喩表現なども覚えて、一通りどの単語に対する感情も理解できたとしても、

経験値として、その登場人物の感情が入ってこないと、

 

「これ悲しいってことだよね!?」と言っても

「まぁ…そう、ですね…。」

といった具合になります。

 

子供側からは感情移入はできているが、その文が伝えたい感情は子供には伝わっていない事になります。

なので、小学校での国語の授業では「音読する際に抑揚をつけて読ませる」わけなのですね。

それで体感的に悲しいとか嬉しいなどを感じ取るようにしているのだと思います。

 

こういった状態で、仮に入試などが近くて、時間がないという場合には、

物語文は逆に客観的に読むことの方が重要になってきます。

さらに問題に対して、自分の感じている事とは別の答えを用意する練習が必要になってくることもあります。

 

ただ、本来はこういった物語文を読んで、人の感情などを学んでいきます。

そういった物語文の読み方を最初に取り入れなければ、

本をひたすら読ませても、

いわゆる「テストの問題で要求される答え」を本心から用意する事は難しくなるでしょう。

登場人物の喜怒哀楽がしっかり体感的に理解できているのかを確認する事が大切ですね。

 

ただ、これが本来の本の読み方として正しいかどうか、はまた別の話しです。

ココがポイント

物語文には大多数の道徳観・価値観が必要

説明文

困る 保護者

さて今度は説明文です。

説明文は物語文と違い、読む機会が学校か塾くらいしかないと思います。

幼い頃から触れている経験値が、物語文と比べて圧倒的に少ないので、難しく感じる子が多いのです。

ではどのように読めばいいのでしょうか。

 

① まずは「比較」

比較に必要な事

① 何と何を比較した文章なのかを識別する力が要ります。

② その為に文章中の情報を整理する事が必要です。

これ、理科や数学の文章題に必要な力です。

簡単に書きましたがこれが難しいのですよね。

高レベルの中学入試や大学入試問題になると、

使用されている単語が難しくなるので、頭の中が複雑怪奇な迷路になります。

 

なので、まずは比較的低学年の文章で、

何と何を比べてお話ししている文章なのか、を

考えさせながら読むことが必要となります

 

本人にとっては苦痛かもしれませんが、何事もステップアップです。

読み終えたら

「何と何と比べてたの?」

とか

「どんなことについてのお話しだった?」

などと質問してみてください。

中学3年生の学校の教科書レベルでしたら大人で十分何を比較しているかは、おおざっぱではありますがわかると思います。

 

それでいいのです。

まずは「比較」を定着させる事が重要です。

 

② 結論へのイメージ

さらに「結論」について知っておくことが重要です。

「結論」と聞くと、「これは○○だ!」というイメージかと思いますが、

実は以外にもそんな終わり方ではない結論も多数あります。

説明文は筆者の「結論」が書かれているのですが、その結論が「あいまい」な事も多いのです。

 

例えば「A」という結果と「B」という結果があり、

「つまり○○という場合においては「A」という可能性も否定できない。

「これからは「B」という考え方も必要になってくるのではないかと思う。」

など。

 

なんだか歯切れが悪い感じに見えますよね。

結構「ぼんやり感」を持たせた言い方が多いのです。

もしお子様が、結論のイメージを「こうだ!」というイメージで持たれている場合、

結論がどうなのか、どこなのかを判断する事が非常に難しくなります。

結論は「最終的に筆者が感じた事、それははっきりしていない場合もある」という事を教えておく必要があります。

 

③ 意外と感情移入している(主観的に見ている)

最後に、説明文は客観的に見る事が重要だ、とどこでも教えられます。

お子様もきっとそれはわかっているはずです。

しかしいざ読んで、設問に答えてみると…

 

講師「どうしてこの答えになったの?文章には○○だとわかるような書き方してるよね?」

生徒「はい、でも普通は■■と考える事が多いので、そうかなと思いました。」

 

確かに「自分」の意見を述べていてとても素晴らしい回答なのですが、

正解ではありません。

 

このように読んでしまうと、説明文を読んでいる意味がありません。

国語のテストでは説明文を客観的に読み、人の考えを受け入れて自分の考えと比較できるようにするために、問題が用意されています。

自分の考えを述べるのは「説明文をしっかり読めた後」です。

その前段階での答えが要求されるのです。

そういう事を説明文を本格的に読み始める前や、設問を行う際に教える必要があります。

ココがポイント

説明文は「比較」「結論」「自分の意見は後回し」を教える事が重要

 

4.問題作者に合わせた答えを用意する必要がある

女の子 家庭学習 集中

さてここまで国語で扱われる文章の種類とその読み方についてお話ししましたが、

本来、「本を読む」際に、その文章に対してへの感じ方は自由だと思っています。

 

「嬉しい表現」なのに、

自分は嬉しいとは感じない。だってもっと嬉しいことや経験を知っているから。

これだって、その箇所に対するその子の立派な感じ取り方です。

 

「今の政治は腐っている!」という結論があり、

僕はそうは思いません。みんな困っている人を見ると助けています。腐っているとは思いません。

これだってその子の立派な文章に対する答えです。

 

本来、本や文章とはこのように読み取り方は自由なのです。

そこから自分の知らなかった感情の読み取り方や(物語文)、

物事の捉え方、見方(説明文)などを知っていくのだと思います。

これが本の正しい読み方なのです。

この辺りは今学校でもグループワークとして取り入れ始めているかと思います。

 

ただし、それではテストでは正解できないのです。

この自分の考えを述べる手前の段階で問題が構成されている事が多いからです。

(現在では入試でも自分の考えを書きなさいという問題も増えてきていますが、まだまだ少ないで割合としては少ないです。)

つまり、文章を読んで自分の感想や考えを基に設問にあたってはダメだという事です。

「出題者の意図に、自分の感想や考えを寄せていく、置きかえる、捨てる」事が必要になるのです。

 

なのでお子様が「本や文章を読む」事をした場合は、

メモ

1.どのような内容かざっくり聞く

(その内容を親が復唱して内容を確認する)

2.それに対する子供個人の感想

を聞いたうえで、

1と2をしっかり分けたうえで設問に向かわせる事が重要なのかなと感じます、

 

ココがポイント

本をどう読むかは自由!しかしテストで点を取るには出題者の意図を読み取る技術が必要

 

まとめ

家庭学習 まとめ

いかがでしたでしょうか。

国語を教える際に、答えに書かれている事を強制してはダメです。

まずは子供の道徳観や価値観、捉え方を確認した上で、設問へのアプローチを導く必要があります。

言葉にすると難しいですが、お子様の答えを見ていくと徐々に「クセ」が見えてくるものです。

「こういう表現のときにこう感じるクセがあるなー」など。

これって国語どうのこうのより、よりお子様の感情に近づける感じもしませんか?

 

今回お話したことは、国語を指導するうえで、とても重要になる基本的な事です。

何度も言いますが、本や文章を読んでの感じ方は自由なのです!

それと国語の問題に正解する事は、繋がっているようでまた別の話しなのです。

早速お子様が解いた問題とその答えを見てあげてください!

そして、その答えをまずは受け入れてあげてくださいね!

ポイントまとめ

  • 物語文と説明文で読み方も大きく異なるという事を理解しておく
  • 本を読むだけでは点数は上がらない
  • 物語文には大多数の道徳観・価値観が必要
  • 説明文は「比較」「結論」「自分の意見は後回し」を教える事が重要
  • 本をどう読むかは自由!しかしテストで点を取るには出題者の意図を読み取る技術が必要
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