こんにちは。
現役の塾教室長兼講師のトトです。
講師歴は10年以上になります。
【英文法学習のための準備学習】
の第2回目です!
さて今回は「ヘボン式ローマ字」についてです。
ローマ字?英語の定期テストや高校入試、大学入試でそんなに必要なの?
と思う方が多いでしょう。
実はとても重要です。
最近は自由英作と言って、自分の考えを英文で書かせる問題が増えています。
中学生の定期テストでも英作問題で、せっかく文法もバッチリ使えた英文を書けても「ローマ字のつづりが違う」だけで×になります。
さらにこれからの大学入試では「自分の考え」や「論説」を書く機会が多くなります。
加えて英語の問題は「日本の文化」をテーマとする事も多いのです。
つまり日本特有のモノを記述する事が多くなります。
そうなると「ローマ字」が重要になってきますよね。
特に!現在小学生のお子様は要注意です!
英語が教科化されましたし、早いうちからロー文字についてしっかり知っておく必要があります。
ご家庭で聞かれる機会も増えるでしょう!
今回はローマ字についてのお話しと子供がよく間違う「ヘボン式ローマ字」についてお話しします。
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1ローマ字には「訓令式」と「ヘボン式」の2つがある
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2英語科で使用される「ヘボン式」について
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3「違いがある事」の認識が重要
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★ここを確認!よく間違うヘボン式ローマ字
では、一つ一つ見ていきましょう!
目次
1.ローマ字には「訓令式」と「ヘボン式」の2つがある。
保護者の方でPCやスマホのフリック入力で、
「し」を「si」、「ち」を「ti」と打っている方がいるかと思います。
それ「訓令式ローマ字」です。
「ヘボン式ローマ字」ではありません。
ヘボン式ローマ字では
「し」は「shi」、「ち」は「chi」です。
は?何が違うの?
日本語入力できてるからそれでいいじゃん!
そう、その通りなんです!
ですが、英語科の授業、テストの中では「ヘボン式ローマ字を使うように」とされていて、「訓令式ローマ字」を使用すると×にされます。
ココがポイント
ローマ字には「訓令式」と「ヘボン式」の2つがある
2.英語科で使用される「ヘボン式」について
さて、「訓令式」と「ヘボン式」って何が違うのでしょうか。
細かい歴史や文化背景についてはググって下さい。
簡潔に言うと、
ポイント
「訓令式」…日本人視点の日本語発音表記
「ヘボン式」…欧米人視点の日本語発音表記
こんな感じで捉えるとイメージしやすいかと思います。
小学校の国語でもローマ字習いますよね。
そのときは「訓令式」で習います。
日本語の勉強ですからね。訓令式なのは納得。
その後、中学校の英語では「ヘボン式」。
確かにしっかりした英語の学習だから欧米人視点の「ヘボン式」。まぁ…納得。
整理
・小学生⇒「訓令式」
・中学生⇒「ヘボン式」
これややこしくないですか?
これが中学英語でローマ字をミスしてしまう原因の一つなんです!
おそらく間違えている子供の中でも、
「あんれ~?小学校で完璧に覚えたのに違うの~?」
となんとなく不思議に感じている子もいるでしょう。
でも、ヘボン式ローマ字をやる期間って、中学1年の中間テストまでなんですよねー。
だから、よくわからなくても大して文法の勉強には差し支えがないし、本人もよくわからないまま時間が過ぎていきます…。
で、正直どちらで書いても外国の方は読んでくれます。
しかも「訓令式ローマ字」は国際的にも認められているローマ字なので、訓令式でも問題ないのです。
しかし、日本で使用されている地名などの表記は全て「ヘボン式」になっています。
このことからか、英語科の中でも「ヘボン式を使わないと×」というよくわからないルールになっています。
ただし、「どちらもある」という事自体は知っておく必要はあると思いますよ。
外国人の友達がヘボン式で表記したときにわかるようにしておかないといけませんからね。
あくまでテストで✖にするのはどうかなぁという感じです。
とにかく、現在では英語科では「ヘボン式」と決まっているのでヘボン式でかけるようになることが必須です。
ココがポイント
英語では「ヘボン式」じゃないと✖
3.なぜ「ヘボン式」をなかなか覚えないのか。2通りあるという事実を教える!
まぁ一言で言うと、ヘボン式の方が日本人からすると難しいからです。
「si」も「shi」も日本人なら読み方一緒だろーが!
そうなんですが、そう言っていても点数はもらえません(笑)。
先にも述べたように、国語で「訓令式」を習っているので、余計に「ヘボン式」と混乱するという事も考えられます。
なので、まずは
重要!
ローマ字には「訓令式」と「ヘボン式」の2つがあるけど、
英語では「ヘボン式」を使うんだよ!
という事を教え、それを意識して覚えていく必要があります。
特に訓令式ローマ字をしっかり覚えたお子さんはこれが効果的です。
一つ一つの違い自体を暗記させたり、教える必要はありません。
ヘボン式を覚えていく中で自然と違いを認識していくと思います。
2通りの書き方があって、どちらも正しいけど、英語の勉強の中ではヘボン式を使う、という事実を教えてあげて下さい。
僕は学生の時にワープロ(懐かしい)やパソコンを個人的に使用し始めたのが早く、キーボードを「訓令式」で打っていたので、ヘボン式との違いに苦労しました…。
2通りの書き方があるという事を明確に知ったのは大学生になってからでした(^^;
ココがポイント
2通りあるという事実をしっかり教えるが重要
4.ここを確認!よく間違うヘボン式ローマ字
さて、では実際にお子様のヘボン式ローマ字をチェックするときに、役立つ、「あるあるミス」を紹介します。
※できればネット上にあるヘボン式ローマ字表を見ながら確認してもらえるとよりわかりやすいと思います。
ポイント
・(シ)×「si」⇒ ○「shi」
・(チ)×「ti」⇒ ○「chi」
・(ツ)×「tu」⇒ ○「tsu」
・(フ)×「hu」⇒ ○「fu」
・(ジ・ヂ)×「zi」「di」⇒ ○「ji」
※ヘボン式では「ジ」も「ヂ」も「ji」で表記
・(ヅ)×「du」⇒ ○「zu」
※ヘボン式では「ず」も「づ」も「zu」で表記
・(シャ,シュ,ショ)×「sya,syu,syo」⇒ ○「sha,shu,sho」
・(チャ,チュ,チョ)×「tya,tyu,tyo」⇒ ○「cha,chu,cho」
・(ジャ,ジュ,ジョ)×「zya,zyu,zyo」⇒ ○「ja,ju,jo」
・撥音(ン)の表記(濁音b、破裂音p、マ行mのまえの(ン)は「m」)
(新聞)×「shinbun」⇒ ○「shimbun」
(参拝)×「sanpai」⇒ ○「sampai」
(閻魔)×「enma」⇒ ○「emma」
・発音上、伸ばす音になるものは何も追加しない
(大阪)×「Oosaka」⇒ ○「Osaka」
(太郎)×「Tarou」⇒ ○「Taro」
(東京)×「Toukyou」⇒ ○「Tokyo」
・促音(ちっちゃい「ッ」は子音を重ねるが、「チ音の前のちっちゃい「ッ」」に注意)
(はっぴ)×「hapi」⇒ ○「happi」
(薩長)✕「saccho」⇒ ○「satcho」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ン」や、ちっちゃい「ッ」など結構難しいですよね。
まずは保護者が難しいヘボン式表記があるんだと認識したうえで指導すると、楽しみながら覚えさせることができると思います。
お子様に問題を作らせてみるとヘボン式を考えるいいトレーニングになるかもしれません。
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