なぜ、日々コツコツ勉強する子は強いのでしょうか。
たくさん勉強しているから。もともと理解が早いから。
そう見えることもありますよね。けれど、実際にはそれだけではありません。
毎日少しずつ進められる子は、わからないところで止まりにくく、間違えたあとに直しやすく、提出物や予定のずれも立て直しやすいことが多いです。
最初は小さな差でも、学年が上がるにつれて、その差はだんだん見えやすくなっていきます。
「学力差はいつ決まるのだろう」「小学生のうちに家庭学習を始めないと遅いのだろうか」
と不安になることもありますよね。
塾に早く入れないと間に合わないのでは、と感じる方もいらっしゃると思います。
この記事では、学力差はいつ見えやすくなるのかを整理しながら、家庭で本当に見てもらいたいことをお伝えします。
中学生からでも遅くありません。
重要なのは、量を増やすことより、日々の学び方を整理し、その時間を大切にすることです。
学力差は「突然つく」のではなく、少しずつ見えてくる
学力差はある日突然つくものではない
学力差というと、まずテストの点数の差を思い浮かべやすいですよね。
ですが、点数の差はある日突然できるわけではありません。
毎日の勉強の始め方。わからなかったときの戻り方。宿題や提出物の出し方。プリントやノートの扱い方。
こうした日々の学び方の差が少しずつ積み重なり、
それがあとから点数や進路の差として見えやすくなっていきます。
つまり、差の始まりと、差が外から見える時期は同じではありません。
ここを分けて考えることが大切です。
中学3年生で差が見えやすくなる理由
個人的に、学力差が見えやすくなる大きな節目のひとつは、中学3年生だと思っています。
理由としては、それまでの学習内容の積み重ねが必要になる場面が増えるからです。
単に覚えているかどうかだけでなく、考えてつなぐ力も求められやすくなります。
さらに、高校受験という形で、学力が進路の選択肢に関わりやすくなります。
(中学受験をされている方は、一部中学受験が節目になることはあると思います。)
ここで見える差は、その年だけの差ではありません。
小学校や中学1・2年で積み上げてきたものが、ここでまとまって表に出やすくなる、と考えるほうが自然です。
ただし「中3で完全に決まる」とは言い切れない
一方で、「中3で全部決まる」とまでは言えません。
中学生から学び方を見直して伸びる子もいますし、高校に入ってから安定していく子もいます。
逆に、小学生のころに順調でも、その後に崩れることもあります。
より正確に言うなら、学力差は中学3年生で「見える形になりやすい」ということです。
完全に固定されるというより、進路の差として見えやすくなる時期、
と考えると分かりやすいと思います。
学力差は、いつから始まり、いつ見えやすくなるのか
| 時期 | 見えやすい差 | 家庭で見たい点 |
|---|---|---|
| 小学生 | 勉強の始め方、提出、基礎の抜け | 声をかけなくても始められるか、宿題や持ち物を確認できるか |
| 中学生前半 | やり直し、自分で進める力、管理の差 | 間違えたあとに直せるか、テストや提出物を把握できるか |
| 中学3年生 | 進路の差として見えやすい | 今の点数だけでなく、勉強の仕方や進め方を自分で把握できているか。 |
このように見ると、「中3で差が見えやすい」と「だから小学生から大量に勉強させればよい」は、同じ話ではないことが分かるはずです。
学力差の土台は、何の差として積み上がるのか
知識の差だけではなく、学び方の差が広がる
学力差という言葉には、いくつかの意味が重なっています。
知識や技能の差、考える力の差、そして学習を進める力の差です。
特に見落とされやすいのが、学習を進める力です。
勉強を始めるまでに時間がかかる子と、少し声をかければ始められる子では、同じ30分でも中身が変わります。
間違えた問題をそのままにする子と、どこでずれたのかを見返す子でも、次の伸び方が変わります。
学力差は、知識だけでなく、こうした学び方の差としても広がっていくのです。
提出・予定把握・やり直しも学力の土台になる
学力というと、問題集やテストの内容だけを思い浮かべるかもしれません。ですが、実際にはそれだけではありません。
中学生になると「課題」というものが出され、日々の予定管理も小学校の比ではありません。
提出物を期限までに出すこと。
テスト日程を把握すること。
学校から配られたプリントをなくさないこと。
ノートやワークを使いやすい状態にしておくこと。
間違えたところを見直すこと。
これらを随時整理して自主的に行動できるかどうかが、学びを前に進める土台になります。
このように、中学以降は管理するものが増えます。
勉強内容が難しくなるだけでなく、自分で把握し、自分で進める場面が増えます。
ここが弱いと、調査点の観点で見ても、勉強しているのに成果につながりにいという結果を招きまやすくなります。
小学生のうちに見たいのは量より姿勢|学年ごとの具体的な目安
ここで、「やはり小学生のうちからたくさん勉強させた方がよいのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、この記事でお伝えしたいのはそこではありません。
もちろん、小学生のうちから家庭学習に親しんでおくことには意味があります。
けれど、大切なのは勉強量を増やすことそのものではなく、学び方の土台を作ることです。(ただし、学びの土台を作る上で、その子には量を優先させる方が良いと個別に判断するケースはあります。)
具体的には
小学校1年生から本を読む、絵を描く、音読をするなど、何をするにも自分の机やリビングなど、固定した場所で行うというクセを付けたほうが良いと思います。
さらにこの時、姿勢もできるだけ正しい姿勢を保たせるように促すとさらに良いかと思います。
(ずっと机に座らせろということではありません。何かするときは、です。)
小学校4年生くらいから、
少しずつ「勉強」として机で行うことを週2回ずつからでも入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、勉強内容はあまり言及しない方が良いと思います。あくまで学習姿勢の定着化が狙いなので。
(中学受験生はちょうど専門塾にも通うようになると思うのでちょうど良いかと思います)
そして5年生からは、
小学校からもらってくるプリントや宿題、テストの整理整頓、管理を本人にやらせてください。
そして少しずつ勉強内容に手を付けていくのが良いと思います。
ここでの勉強内容とは間違い直しのやり方などですね。
ここは両親に時間がない、見るのが面倒、わからない場合は塾に任せるという選択肢を考えても良い場合もあります。
ただし、塾に任せきりにするのではなく、必ず家庭学習の進め方を講師の方と面談などを通してしっかりこちらの要望を伝え、一緒に考えて取り組んでください。
6年生からは、
本格的に家庭学習を勉強の結果も考慮して見ていくことをお勧めします。
ただし、必ずお子様を主体としてください。
様々な案を提案したとしても、提案にとどめて、最終的にお子様本人に決めさせてください。
こちらから言わなくても学校から出されるプリント類を規則通りに整理整頓できていればなお良いです。
ざっと学年ごとに挙げてきましたが、
要は、勉強に取りかかる流れがあるか。終わったあとに見直せるか。学校のものを決まった場所に置けるか。やることが多いときに、一つずつ確認できるか。
こうした姿勢は、家庭学習の中でも十分育てていけるということです。
ですから、学力差の話をそのまま「早くから塾に入れないといけない」にすぐに結びつける必要はありません。
塾に行くかどうかより先に、家庭でどのような学び方ができているかを見ることのほうが大切です。
中学生からでも遅くない理由
中学生はまだ立て直しがきく時期
「では中学生になってからでは遅いのでは」と不安になるかもしれません。
ですが、私はそうは思いません。
たしかに、小学生のうちから土台ができている子のほうが負担は軽くなりやすいです。
けれど、中学生からでも、始め方や直し方、管理のやり方が変わることで流れが変わっていくことは多々あります。
(しかし高校受験までに物理的に時間が足りずに、偏差値などの学力向上に関しては限度があるかもしれません。この場合は点数の取り方を短期間に叩き込み、高校に合格してから春に学力を再度定着させる流れを作ると高校で飛躍的な成績向上を達成できるケースもあります。)
実際、成績が上向くきっかけは、いきなり長時間勉強できるようになることではなく、小さな変化であることが多いです。
中学生から整理するなら、この順で
いきなり勉強時間を大きく増やそうとすると、苦しくなりやすいです。まずは次の順で見直すのがおすすめです。
- 始める時間を決める(時間管理・定期的な学習)
「帰宅したらすぐ5分だけワークを開く」など、短くてもよいので最初の一歩を固定します。 - 間違いの直し方を決める(間違いをそのままにしないクセ付け)
間違えた問題に印をつけ、「どこでずれたか」を一言で書けると、やり直しの質が上がります。 - 学校のものを置く場所を決める(予定管理・整理整頓)
プリント、ワーク、連絡物の置き場所が決まるだけでも、提出や予定把握は変わりやすいです。
高校での選択肢を広げるのは、早期の大量学習だけではない
高校に入ってからも、日々の取り組みが安定している子は、進路の選択肢を広げやすくなります。
授業への向き合い方、提出物、定期考査への取り組み方、普段の勉強の積み重ね。
こうしたものがそろっていると、学校生活の中で力を積み上げやすいからです。
その意味でも、中学生のうちに学習姿勢を作っておくことには大きな意味があります。
ただし、それは「小学生から大量に先取りしなければならない」という話ではありません。
家庭学習の中で、始める、直す、管理する、を少しずつ身につけていくことが、あとから効いてきます。
もし今それが十分でなくても、中学生から作り直していくことはできます。
遅いと決めつけなくて大丈夫です。
だから家庭で今、見たいこと
塾より先に確認したい家庭学習の土台
塾に行くかどうかは大切な判断です。
ただ、学力差への不安があるときに、最初に見るべきことは「塾の有無」ではありません。
今の家庭学習で、
子どもがどんな手順で勉強しているか。
どこで止まりやすいか。
親が全部言わないと進まないのか、
それとも少しずつ自分で進められるのか。
こうした部分を先に見た方が、次に必要な手が見えやすくなります。
ただし、親の言うことを全く聞かずに、塾を利用してこうした姿勢を身に着けさせたいと考えている場合、
塾側にその旨とお子様の性格や普段の学習状況を伝え、宿題での家庭学習のプランを作ってもらうと良いでしょう。
(個別タイプの塾がこういうのは得意かと思います)
家庭で見たい3つの観察ポイント
改めて整理します。
家庭で特に見たいのは、大きく分けると次の3つです。
- 自分で始められるか(時間管理・定期的な学習)
- 間違えたあとに直せるか(間違いをそのままにしないクセ付け)
- 提出や予定を自分で管理できるか(予定管理・整理整頓)
その上で以下の5項目ができているか確認してみて下さい。
- 声をかけなくても勉強に取りかかれる日がある(時間管理・定期的な学習)
- 間違えた問題をそのままにしない(間違いをそのままにしないクセ付け)
- 学校の提出物を期限内に出せる(予定管理・整理整頓)
- テストや予定を把握している(予定管理)
- プリントやノートの置き場所が決まっている(整理整頓)
全部そろっていなくても大丈夫です。大切なのは、「できていない」と責めることではなく、「今どこから立て直すか」を見つけることです。
完璧より、毎日の小さな前進を優先する
家庭学習で本当に大切なのは、最初から完璧にすることではありません。
毎日少しずつ前に進めることです。
今日は5分だけでも始められた。
昨日の間違いを一問だけ見直せた。
提出物を前日に確認できた。
こうした小さな前進は、目立ちにくくても、あとから大きな差になります。
だからこそ、家庭で見るべきなのは今の点数だけではなく、
どんな手順で学んでいるかです。
必要なら今すぐ現在の状態を一度整理してみるのもよいと思います。
まとめ
学力差は、中学3年生で突然決まるものではありません。
ただ、中学3年生になると、それまで積み重なってきた差が、進路の差として見えやすくなります。
その土台は、もっと前から少しずつ作られています。
知識や思考だけでなく、勉強の始め方、間違えたあとの直し方、提出物や予定の管理といった日々の学び方が、あとから大きな差につながっていきます。
だからといって、小学生のうちから塾に通わせて、たくさん勉強させればよいという話ではありません。
家庭学習の中でも、学習姿勢は十分育てていけます。大切なのは、量を増やすことより、学び方の土台を少しずつ作ることです。
そして、中学生からでも遅くありません。
今の点数だけで判断しすぎず、子どもがどんな手順で学んでいるかを見てみてください。
そこに、これから先の伸び方を変える入口があります。
次に読むべき記事
学力差の話を、家庭学習全体の中で見直したいときは→「学習習慣・環境 完全ガイド(格差を広げない家庭設計)」
学力差を広げにくい家庭の考え方や、家庭学習全体の見方を整理できます。今回の記事を全体の中に置き直したいときに役立ちます。
〈執筆中〉
中学生からでも勉強習慣を作り直したいときは→「勉強習慣を作る方法」
「遅いかもしれない」という不安を、毎日の行動に落とし込みやすくなります。始め方を変えたいご家庭に向いています。
https://kategakublog.com/c21-study-habits-make-how-to/
うちの弱いところを見える形にしたいときは→「学力診断セルフテスト」
点数だけでは分かりにくい、家庭学習のつまずきやすい部分を確認できます。今どこから立て直すかを考えやすくなります。
〈制作中〉