定期テスト2週間前は、理想の計画を新しく作る時期というより、いま崩れている計画を「現実に合う形」に直す時期です。
ここで焦って予定を盛り直すと、たいてい同じところでまた崩れます。
できないのにあれもこれもととりあえず詰め込むのではなく、「立て直す」。中には当初計画していたものを省くこともあるかもしれません。今できうる中で点数を最大化する、という考え方が大切です。
でも大丈夫。2週間あれば、「取れる点を取り切る形」に立て直すことは十分できます。
この記事では、まず崩れ方を診断し、よくあるNGを5つに分けて、今日からできる「1手」で立て直す方法をまとめます。
まだ計画作成自体していないよ!という方は後で作成手順を案内しますのでご安心ください。
計画を立て直すという作業は大人になっても大切なことなので、これも一つの学びだと思ってお子様の計画を一緒に確認してあげてください。
まず診断(チェックリスト):どの崩れ方タイプか
当てはまるものにチェックしてください(複数OK)。
- □ 計画を立てたのに、すでに遅れていて何から手をつけるか分からない
- □提出物(ワーク・プリント)が多すぎて気が重い
- □ 勉強しているのに、点数に結びついていない気がする
- □ 苦手が怖くて手が止まる/後回しにしてしまう
- □ 土日に挽回するつもりが、結局うまくいかない
- □ スマホやゲームで時間が溶けて自己嫌悪になる
- □ 部活や習い事で平日の勉強時間が短く、計画が成立しない
- □ 寝不足で集中が続かない
- □ 親が声をかけるほど、子どもがイライラしてしまう
このあと「NG①〜⑤」で、今の崩れ方に合わせて立て直します。
NG①:計画を“作り直し”して、また崩れる
症状(あるある)
- 「今日から完璧にやり直す!」と新しい計画を作る
- 初日は頑張るが、2日目で遅れて自己嫌悪→放置
- 計画表だけ立派で、中身が回らない
原因
計画が「理想の自分」前提になっているからです。
2週間前は、残り日数・学校予定・体力を踏まえて、現実にできるサイズ(量)に縮めるほうが点が伸びます。
立て直し手順(今日やる1手)
今日やるのは「作り直し」ではなく、縮小です。
- テストまでのカレンダーで「勉強できる日」に○をつける(10分)
- ○の日だけに、1日3つまでやることを書く(10分)
- できなかった分を翌日に持ち越さない(崩れ防止の核心)
保護者の声かけ例:
「完璧じゃなくて大丈夫。できることからできる範囲で考え直すのが大切だよ。」
NG②:提出物を後回しにして、終盤で詰む【あるある】
症状(あるある)
- ワークが山で気が重く、逃げたくなる
- 「提出物は最後にまとめて」→結局終わらない
- 勉強はしているのに、提出で点を落とす。かつテストの点数も伸びない。(提出物をただ仕上げるだけの「作業」になっているため)
原因
量だけ見て嫌気がさしています。
また「答えを写したらいいしなんとかなるでしょ」と思っている。
最初の一歩が出せないのでこういう状況になっていることが多いです。
とにかく「進める」まで併走してあげてください。
提出物は、提出点・評価に直結します。
しかも締切がテスト前に来ることが多く、後回しにすると一気に詰みます。できれば毎日コツコツ行っていた方が良いですが、わかっているけど後回しにしちゃう…という状況ですからね…。
また、「勉強」という側面からも早めに取り組み、少しでも2週目3週目ができるように優先順位を上げることを勧めます。
立て直し手順(今日やる1手)
締切から逆算して、先に枠を取ります。
- 教科ごとに「提出物/締切/残量(ページ数)」を書き出す(15分)
- 締切が近い順に並べる
- 平日は “提出物30分”を固定枠 にする(毎日同じ時間が一番強い)
保護者の声かけ例:
「提出物が進むと気持ちが軽くなるよ。先に“重たい石”をどかそう。」
NG③:「苦手だけ」をやって、点が伸びない【重要】
症状(あるある)
- 苦手に時間をかけたのに、点数が上がらない
- テスト直前に「間に合わない…」と焦る
- 得点源が薄く、取りこぼしが増える
原因
点数が上がってきている子に多いです。
難しい問題に挑戦して少しでも点数を上げたいと思っている(例:理科の計算分野など)。
苦手な問題に時間をかけすぎて、基礎問題を定着する時間・量が減っている。
または得意な分野(点数を上げることができる部分)をおろそかにしてケアレスミスが多発する。
2週間前は“克服”より、まず取り切れる点を回収する時期です。
苦手を全部できるようにすることばかり考え、計画が破綻すると、結局どれも中途半端になります。
まずはできるところを確実に点数にできるための内容を優先してください。
立て直し手順(今日やる1手)
得点源を先に確保し、苦手は「毎日少し」か「できれば最後に」に落とします。
「毎日少しずつバージョン」
- 範囲表や前回テストを見て「頻出パターン」を3つだけ選ぶ(10分)
- そのうち1つを、今日 演習1セット(例:例題→類題3問)だけやる(20〜30分)
- 苦手は15分だけ(後の「0→1戦略」)【時間で区切る】
NG④:「分かったつもり」で進み、演習が足りない
症状(あるある)
- 解説を読んだ、ノートもある。でもテストで取れない
- “見て分かる”で終わる
- 同じミスを繰り返す
原因
点になるのは「理解した気がする」ではなく、時間内に正解できることです。
インプット過多で、アウトプット(演習)が不足しています。
理解することは勉強に必須です。
しかし「点数と取ること」は別のスキルが必要です。
ここを理解し、お子様に説明してあげてください。
立て直し手順(今日やる1手)
小テスト→間違い直しを回します。
小テストの作成が難しい場合はアプリなどを使って答えが書きこまれている個所を消して取り組ませると簡単です。
しっかり解けるようになるまで何度も行ってください。
- 1教科だけ選び、10分で5問解く(小テスト化)
- 間違いは、解説を写すより 「解くために覚えておくこと」や「ポイント」「覚え方」を1行で書く
- 同じ形をもう1問だけ解いて終える(成功体験と確認作業で締める)
NG⑤:土日に挽回しようとして、土日が崩壊する
症状(あるある)
- 「土日に一気にやる」→昼までダラダラ→夜に焦る→雑になる
- 親が言うほど子どもが動けず、親もイライラ
- 月曜から自己嫌悪でペースダウン
原因
土日は“時間がある”分、それまでの平日で行う分を後回しにしたりなど、スタートが遅れやすいのが落とし穴です。
たまったものがあるときは、土日はとにかく根性で頑張る日ではなく、来週以降円滑に進めることができる内容に変えます(調整日)。
立て直し手順(今日やる1手)
立て直し手順(今日やる1手)
土日は後で説明する「3ブロック」に固定します。
今日やることは、土日の「午前・午後・夕方(夜)」にやる内容を1つずつ決めて書くこと(5分)。
例(書くだけでOK)
- 午前=提出物(英ワーク 10ページ)
- 午後=得点源(数学の頻出問題 20分×2セット)
- 夕方(夜)=調整(遅れの穴埋め or 小テスト)+翌週の「1日3つ」書き直し(10分)
土日は、たまったものを来週に持ち越さないための調整日
保護者の声かけ例:
「土日は“頑張る日”じゃなくて、“崩れにくい予定に整える日”にしよう。3つに分けると動きやすいよ。」
2週間の再設計ルール(共通の型)
ここからが立て直しの本番です。2週間前に一番効くのは、実はテクニックより土日の使い方です。
平日は学校や部活で時間が削られます。だから、土日で遅れを取り戻すのではなく、次の1週間が無理なく続く形に整えるのが正解です。
ルール1:土日で「段取り」を整える(最優先)
土日は「たくさん勉強する日」ではなく、次の1週間が続けやすくなるように準備する日にします。
おすすめは 3ブロック。これだけで「土日が崩れて月曜も崩れる」を止めやすくなります。
- 午前ブロック(90〜120分):提出物(締切が近いもの)を進めて「安心を作る」
- 午後ブロック(60〜90分):得点源(頻出)を「点数が取れる形(やり方)」で演習
- 午後ブロック(60~90分):調整枠(遅れの穴埋め or 小テスト)、提出物・得点源演習でも可。
- 夜(10分)【重要】:来週の「1日3つ」を確認、必要なら修正。
ぎちぎちに詰めすぎないことがポイント。余裕を持たせて最低限やりたいこと、やれることを確実に仕上げる。
ルール2:1日3つまで(増やさない)
計画が崩れる最大原因は「盛りすぎ」です。
2週間前は、増やすより続けられるサイズに絞るほうが点が伸びます。
- 提出物(30分)
- 得点源(30分)
- 苦手(15分)
※時間は例です。個々に設定してください
ルール3:得点源は「頻出×ケアレスミス」から(取りやすい点を先に回収)
2週間で伸びやすいのは、出る確率が高いところです。
- 範囲表の配点・出題割合(プリント量・小テストの量などからざっくりと)
- 前回よく出た形式(パターン:計算問題・英単語・語順並び替え問題など)
- ワークで何度も出る問題(頻出:過去のテストとワークを見比べて確認)
- 先生が授業で強調したところ(「ここ出すよ」系→プリント、ノートチェック)
迷ったら「よく出る × ケアレスミスしやすそうなところ」から。
ここを先に固めると、苦手に取り組む余裕も残ります。
ルール4:苦手は毎日少し(0→1戦略)
苦手を2週間で完璧に…は計画が壊れやすいです。狙うのは 0→1。
- 0:見ても手が止まる
- ⇩
- 1:例題(基本問題)を見れば同じ形が解ける(部分点が取れる)
毎日15分の型
- 例題(基本問題)を1つ読む(1分)
- 同じ形の類題を1問解く(10分)
- 「解くために覚えておくこと」や「ポイント」「覚え方」と1行(4分)
短くても、毎日積むと確実に前進します。
※苦手で沼るタイプほど、時間を短く区切った方が勝ちです。
ルール5:提出物は「締切から逆算」(ここを外すと崩れます)
さて、提出物が片付くと、家庭の空気も落ち着きます。
ここは根性ではなく逆算です。
- 締切が早い順に並べる
- 「残りページ÷残り日数」で1日ノルマ化
- 土日は“全部やる日”にしない(崩壊防止のため 8割まで が目標)
★ミニコツ:提出物は「終わらせる」だけでなく、できれば
- 数学:途中式の型を揃える
- 英語:同じミス(時制・三単現・語順)に印をつける
など、次の点数につながる形にしておくと強いです【超重要】
2週間の“型”テンプレ(例)
土日(まずここを固める:3ブロック)
- 午前(90〜120分):提出物(締切が近いもの)
- 午後1(60〜90分):得点源(時間を測って演習→間違い直し)
- 午後2(60~90分):調整(遅れの穴埋め or 小テスト)、提出物・得点源演習でも可。
- 夜(10分):来週の「1日3つ」を書き直す(増やさない)
平日(学校がある日)
- 提出物:30分(固定枠)
- 得点源:30分(配点・頻出)
- 苦手:15分(0→1)
- 5分:今日できたことチェック(自己肯定感を守る)
保護者向けひとこと:
平日は長時間を求めるほど崩れます。「短くても「毎日続く形」が一番強いです。
まだ設計図が無い人へ:計画の作成
ここまでの内容は「崩れた計画の立て直し」です。
もし、そもそも
- 何を・いつ・どれだけやるか(演習量)が見えていない
- 提出物の全体量や締切が整理できていない
- 計画を立てても毎回崩れる
という状態なら、先に (テスト前の計画の立て方) で「計画」を作ったほうが早いです。
土台 → 崩れた時の立て直し、この流れが一番ラクに管理できます。
保護者向け:声かけNG集(3つ)/効く声かけ例(5つ)
2週間前は、子どもも内心焦っています。
この時期は「正論」で動くより、**“やる気を削らず行動に乗せる言い方”**が効きます。
声かけNG集(3つ)
NG①「だから言ったでしょ」「前から言ってたのに」【あるある】
なぜNG? 子どもは“やる気”ではなく“防御”に入ります(反発 or 無言)。
言い換え例
- ❌「だから言ったのに」
- ✅「ここから立て直せば間に合うよ。まず何が一番詰まってる?」
NG②「今すぐ全部やりなさい」「今日中に終わらせて」
なぜNG? 多すぎる指示は、子どもの頭の中を真っ白にします(結局動けない)。
言い換え例
- ❌「今日中に全部やって!」
- ✅「今日は“これ1つ”だけ終わらせよう。終わったら次を一緒に決めよう。終わったらお母さんかお父さんに見せてね!」
NG③「スマホやめなさい」「本気なら我慢できるでしょ」
なぜNG? スマホは「逃げ」でもあります。責めると隠れて使う→もっとやっかいになり、逆効果になりやすいです。
言い換え例
- ❌「スマホやめなさい!」
- ✅「まず30分だけ集中して、終わったら10分休憩にしよう。タイマーで区切ろう。」
効く声かけ例(5つ)
ポイントは、子どもに「やらされ感」ではなく、「次の一手が見える感覚」を渡すことです。
①「まず“崩れ方”を一緒に確認しよう」
- 「今はサボってるというより、計画が現実とズレてるだけかも。どこが崩れた?」
②「今日は“これ1つだけ”でOKにしよう」
- 「今日やるのは1つだけ決めよう。終わったら、明日のために一つ一つを大切にしよう。」
③「提出物を進めると、気持ちが軽くなるよ」
- 「提出物が進むと不安が減るよ。今日は30分だけ、締切が近いのからやろう。」
④「土日は“頑張る日”じゃなくて“次の1週間のための日”」
- 「土日は3ブロックだけでいいよ。午前は提出物、午後1は得点源。午後2はやりきれなかったこと。夜は10分で来週の3つを決めよう。」
⑤「できたことを一言でいいから教えて」
- 「今日できたこと、1つだけ言って。小さくてもOK。明日に繋がるから。」
(おまけ)親がラクになる“締めの一言”テンプレ
- 「口出ししすぎたらごめんね。あなたが困ってる時だけ手伝うよ。」
- 「今は“立て直し期間”。完璧じゃなくていい。一つ一つ集中してやれば勝ち。」
次に読むべき記事
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→ まずは全体の見取り図を作ると、今回の「立て直し」が繰り返されにくくなります。
【今日すぐ立て直す人】SL4:定期テスト計画テンプレ
→ 迷う時間を減らして、今夜から回せる形に落とし込みます。
【勉強のやり方も整えたい人】C11:定期テスト勉強法
→ 「やってるのに点が伸びない」を防ぐ、演習の基本を確認できます。
(余裕があれば)【次回に活かす】C14:テスト後の復習法
→ 次のテストで同じ崩れ方をしないための“復習の型”です。