こんにちは。
現役の塾教室長兼講師のトトです。
講師歴は10年になります。
「英文法学習のための準備学習」の7回目です!
今回で準備編は完結となります!
今回は主語と述語についてです。
英語の勉強が始まると最初に学習するのが「be動詞」もしくは「一般動詞」かと思います。
その中で、「英語は主語と動詞の順番で書く」という英文法では鉄板の内容に触れると思います。
しかし、その前に、そもそも主語や述語、動詞などの知識、子供についてますかって話しです。
特に高校は英文法の始めに「5文型」というものを学習します。
そこでは主語や補語、目的語などの語句が急にでてきて、生徒はよくわからないまま進むことになりがちです。
それでもなんとなく英語は点数が取れるので。
しかし、この文型を理解する事でより難解な英文をしっかり訳すことができるようになります。
これを読まれている方はこれからお子様が英語を学習するのだと思います。
それからするとまだまだ先の事ですが、
「侮ることなかれ」
5文型までしっかり理解できなくても、
小学生など低学年でもわかる範囲で、文の構造を理解する事はできます。
また、これから学習する英文法の理解が早くなり、文法が進むに連れて、その理解度と応用力が増していきます。
すこし長くなりますが、最後までお付き合いよろしくお願いします。
今回はそのような意図で「主語と述語」についてお話しします。
step
1まずは国語の主語と述語の学習を
step
2日本語と英文の主語と述語の語順の違い
step
3述語と動詞の違い
では一つ一つ見ていきましょう!
1.まずは国語の主語と述語の学習を
英語の授業なのに国語!?
と思ったかもしれませんが、
日本での英文法の学習は、日本語と英語の違いをしっかり比較できているか、という視点で指導・試験が行われています。
そして、語学の基本は主語と述語です。
なので、国語の文法をしっかり学習する事がとても重要です。
とはいえ、国語で学習するすべての文法を理解する必要はありません。
まずは主語と述語についてしっかり学習させてください。
主語と述語の違い
主語…その文での中心となる主人公やモノの事です。
(「~は」や「~が」で表現される部分です。)
述語…主語がどうするのか、どうなのかを表す部分です。
(「~する」や「~です」で表現される部分です。)
主語と述語のトレーニング
まずはこの2つの違いをしっかり理解するために日本語での短文で主語と述語に線を入れるトレーニングをさせてください。
①述語に線を入れる
②その述語に対しての主語を確認させる
ポイントは述語から判断させる事です
具体的には以下のようにします。
(例1)私は学校へ行きます。
①述語は「行きます」
次にお子様自身で「誰が行く」「何が行く」の?と考えさせてください。
そうすると、
②主語は「私は」
となるはずです。
ここで重要なのは、
自分で「誰が行く」「何が行く」と考えさせることです。
なぜこれが重要かというと、
日本語の場合は主語が倒置されていたり、省略されていることがあるからです。
ちなみに例1は述語が「どうする」のパターンです。
「どんなだ」の場合は「私はこの学校の先生です」で同じようにおこないます。
そしてもう一つ。
(例2)私の部屋で彼が待っています。
の場合、主語から探す子は
主語を「私」とか「私の部屋」などとする場合があります。
主語は文の先頭にあるものだと思い込んでいるのです。
しかし、述語から考えると、
①述語は「待っています」
「誰が待っている」「何が待っている」?
②主語は「彼が」
となるはずです。
これで主語と述語と主語が明確になり、英文を書くときに何から書くのかははっきりしてきます。
これは英語の単元で言うと、
「接続詞」や「命令文」、そして「受動態」の理解でとても力は発揮します。
またこの考え方は国語の「文の成分」という単元で主語と述語を識別する際に役立ちますよ!
このような手順でいくつも日本語での主語述語の識別トレーニングを行ってください。
1つや2つではダメです。
最低10個はおこなってください。
ココがポイント
2.日本語と英文の主語と述語の語順の違い
さて日本語での主語・述語の見方ができたところで、次に、日本語文と英文を比較します。
できるだけ簡単な文で比較してください。
(何かの教材を引用するのが簡単かと思います。)
先ほどの(例1)を使いましょう。
(主語は青、述語は赤で示します。)
(日本語文)私は学校へ行きます。
(英文)I go to school.
(日本語文)私はこの学校の先生です。
(英文)I am a teacher in this school.
2つか3つほど示して、
日本語は述語が最後に来るのに対して、
英語は主語+述語の規則性がある事を確認させてください。
英単語や細かい文法は後回しです。
補足
※英語の学習では「主語+動詞」として習うので、
本来、Iが主語で、amが動詞(be動詞)という形で正確に指導するのですが、
今回はあくまで日本語と英語の語順の違いを把握する事が目的なので、
日本語の述語にあたる箇所に線を引いています。
ココがポイント
英語の語順(主語+動詞)は日本語ベースで比較する事!
3.述語と動詞の違い
さて、日本語の語順と英語の語順の違いが理解できたところで、
「述語」と「動詞」の違いです。
先に言っておきますが、これからお話しする内容は、お子様に理解させなくても良いです。事実だけお伝えください。
もし品詞の知識もそれなりにあり、聞かれたら詳しく答えてあげる程度で結構です。
さて本題に戻ります。
これ、一緒だと思っている人が結構いますが、異なります。
なぜ英語では「述語」として指導しないのでしょうか。
それは日本語と英語での語の捉え方に違いがあるからです。
結論から言うと、
日本語には形容動詞、という品詞がありますが、英語にはありません。
ちなみに形容動詞の例は「静かだ」です。
これ、英語で表現すると「be quiet」です。
be動詞と形容詞の1セットで表現されます。
そう、形容動詞は英語でいうところの「形容詞とbe動詞」の事なのです。
英語ではbe動詞は状態や様子を「断定する」役割として使用されます。
「そういう状態でいる」という動詞、という扱いです。
ということで述語という概念がないのですね。
その代わりに先の「be quiet」のquietは品詞は形容詞ですが、
文の役割としては「補語(C)」という名称が与えられています。
興味が出てきた方はこの先は「文型」で学習してください(笑)。
これらがよくわからない生徒は、
国語では述語でやったのに、
英語では「動詞」になっている。
「あれ?述語と動詞って一緒なのかな?」という事で国語の文法も破壊されかねない事態になります。
一応違いをまとめておきますね。
「○○語」と「○○詞」の違い
主語などの「○○語」は、文の成分 で文の中での「役割」を表す。
動詞などの「○○詞」は、文の成分の役割を作る「単語のジャンル」です。
(日本語でいうと、主語には名詞が使われ、述語には動詞や形容詞、形容動詞が使用されます。)
ココがポイント
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
いきなり英文を学習する前に日本語と英文の主語と述語の語順の違いを知っておくことで、
後々の文法力に大きな差が出てきます。
面倒かもしれませんが、
日本語、英語だけでなくすべての語学でこの考え方は重要かつ基本です。
重要ですが堅くならず、遊び感覚でやってみてください。
あくまでまだ「準備段階」ですからね!
ポイントまとめ
- 主語・述語のトレーニングを日本語文で!
- 英語の語順(主語+動詞)は日本語ベースで比較する事!
- 英語には「述語」という概念がないことを事前に簡潔に教えておく。