現役の塾教室長兼講師のトトです。
講師歴は10年になります。
さて、今回は「ノートの取り方」の教え方です。
小学生、中学生、高校生、大学生問わず、どの学年でも使える内容となっています。
今回は子供がノートを取るときにどのようにアドバイスすればよいか、
また、どういったところを見るのか、
実際に僕が指導している内容を、タイプ別に実例を挙げてご紹介していきたいと思います。
是非最後までお付き合いお願いします。
目次
step
1ノートを取るとはどういうことか
step
2ノートの取り方は千差万別、絶対にコレというものはない
step
4ノートの取り方指導 実践編
目次
1.ノートを取るとはどういうことか
皆さんはお子様のノートを目にすることが多いと思いますが、
きっと
「はぁ~ぐちゃぐちゃだわ…」
「んん?なんて書いてあるんだ?」
「どの問題の答えなんだ?」
など、ため息の出る事が多いかと思います。
そもそもノートを取る事が勉強にとって必要なのか不要なのか、という事ですが…。
結論から言うと、「はっきりとわかりません」
実際にあまりノートを取らない子でもテストの点数が高い子も見ています。
ですが、その子の解き方を見ると、字の綺麗さは置いていて…
とにかく丁寧にメモしています。
もしくは気になる箇所に適度に線を引いています。
つまり、すでに頭の中で情報整理がしっかりされていて、
確認の為に問題用紙に混乱しない程度にメモ、もしくはマーキングしているのです。
重要なのは「整理されている」という事です。
これが問題を解くときに頭の中でしっかり行われていない場合は、ノートを取る事でトレーニングしていく事となります。
しかも「自分に合ったノートを取る事」がとても大切です。
ココがポイント
ノートを取るとは「整理」する事
2.ノートの取り方は千差万別、絶対にコレというものはない
では、「整理する」「自分に合ったノート」とはどういったものなのでしょうか。
例えば、カレーを作るレシピをノートに取るとしましょう。
順序をよく間違う人が、玉ねぎやじゃがいもなど野菜の言葉を大きく書いたり、まとめたりする事が果たして効果的でしょうか。
もちろんその情報も大切ですが、その人にとっては「行程順序」がしっかり記憶に残るように書くべきです。
またカレーのルーにこだわるなら、使用するカレー粉の「商品名」が目に入りやすいように書くべきですよね。
同じ内容でも、人によって注意するべき事が異なるという事です。
ノートの取り方は人によって異なります。
大人だとそんな事当たり前だと感じるでしょう。
それは、長い学生生活と自立した社会生活の中で徐々に「自分」というものがわかってきたから今そうできるのです。
しかし子供はまだまだそういった経験値も少ないですし、自立自体経験がないのに、
いきなり「ノートをもっとわかりやすいように書け!」などと言われても、どうすればいいのかわからないのです。
つまりどういう情報が自分にとって必要なものなのかどうか、が識別できないのです。
これは能力の問題ではありません。
経験の問題です。
なので、その子の特性をある程度見極めて、こういった取り方がいいよ、と提案し試す必要があります。
もしそれでお子様がやりにくそうに感じているのであれば、別の方法を一緒に考え、提案し、実行すればいいのです。
とはいえ、それも経験が必要ですよね。
今回は理屈だけではなく、僕の教室の生徒の実際のノートを例に挙げて指導実例をご紹介しますので、そちらを参考にして下さい。
ココがポイント
ノートの取り方は子供によって異なる
ココがポイント
ノートの取り方は「教える必要がある」
3.ノートを取り方を添削するときにチェックする事
さて、実例に行く前に、僕が生徒のノートの取り方を添削・指導する際に、注意している事、チェックしている事についてご紹介します。
注意している事
① しっかりノートを取った事を褒める
➁ 課題を2つまで出し改善指示する
③ 提出(添削)には明確な期日を設ける
まずは努力した事を褒めます。
その上で改善点を見出し、その内容を指示します。
このとき、たくさん出すとチェックも大変ですし、子供も混乱するので、1つか2つとしています。
そしてこれが重要。
再提出の場合は、必ず「○日までにやってね」
と明確に指示します。
そうしないとお互いうやむやになってしまうので。
大体の塾がこの再チェックが甘いです。
だからその時は理解してノートを取れても、またすぐに戻ってしまいます。
ポイント
① 読みやすい字になっているか(字の大きさのバランス)
② 改行、空白などを使用し、内容ごとにまとまりがわかりやすいようになされているか。
③ 重要点は赤や青などで目につきやすいようにされているか
④ 答えだけを写して終わりにしていないか
⑤ 解説は改行を用いて自分なりに読みやすく書かれているか
⑥ 必要であれば問題やグラフ、図形を書いているか
⑦ 選択問題であれば他の選択肢の内容まで調べてあるか
⑧ 「どこで間違えたか」をメモできているか
⑨ 「どのように改善すればミスがなくなるのか」をメモしているか
⑩ 最後に気を付けるべき事のまとめが書けているか
チェック(添削)に関してはおおむねこの順序でチェックしています。
下に行けば行くほど難易度が上がる感じです。
①~⑤までは主に「レイアウト」系ですね。
小さい字でぎゅうぎゅうに書いている生徒もいますからね…。
テストも含めて、添削してもらうのですから、読みやすく書こうとする事はマナーです。
特に⑤は改行もせずにダラダラ書いている場合は、「ただ書いているだけ」の場合が多いです。
改行したり、ある程度読みやすいように書いている生徒は、しっかり「読んで」います。
(読まないとどこで改行しようかわからないですからね。)
そして⑥~⑩は「自分なりのノート」を作る上で重要な項目です。
⑥はできている生徒もいるのですが、⑦~⑩はやっていない生徒の方が多いかと思います。
ノートを取るというのは長い学校生活の中で、「先生の板書を写す」という行為によって作成されることが多いので、板書だけがノートを取る事ではないという事を頭では理解しているのですが、
⇒経験がない
⇒何から手をつけていいのかわからない
⇒とりあえず解説を写しておくか(板書と同じ)
という流れになってしまいます。
つまりほとんどの生徒が「写すものがないとノートを取れない、作れない」という状況になっています。
「ノート」=「写すもの」
が頭にこびり付いてしまっているのです。
ここが全く自分で出来ない生徒は、
⑦から順番に一つ一つクリアさせていきます。
模試の解き直しなどの場合は、その模試で⑦をやらせて
次に⑧をやらせる、できていたら⑨、⑩といった具合に一つ一つ添削していきます。
もしくは今回の模試は全科目で⑦を徹底させて、次回の模試では⑧ができるように指導します。
(ここはその学校の勉強の量やタイミングなどを考慮してどうするか決めています。)
そういった流れで運用している事が多いです。
次に⑧と⑨がいまいちぼんやりしていると思うので、解説しますね。
⑧ ノートは「どこで間違えたかをメモできているか」が重要
さて、「どこで間違えたかをメモできているか」ですが、
間違えた問題の解説の一部をただ写すこと、ではありません。
わかりやすい例で言うと、算数の計算問題で、間違えていたとします。
そのときによくあるのが、
「計算ミス」とか
「丁寧にやる」とか
「よく見る」
とかですね。
これ全部ダメです。
そもそも計算問題なのですから、間違えたら計算ミスしかありません。
また丁寧にやるのも当たり前です。
さらに言うと、よく見ないで問題は解けません。
そんな当たり前な事を書いても全く意味がありません。
例えばわり算の筆算では、その中にはかけ算やひき算が含まれています。
実は商をたてるときのかけ算で九九をミスしているかもしれませんし、
ひき算の繰り下がりでミスしているのかもしれません。
それなのに「わり算に注意する」と書いたとしても、以降気を付けられるでしょうか。
また、トレーニングするときにかけ算やひき算に注意しながらトレーニングできるでしょうか。
塾などではこの辺りは講師が確認して、「ここが違うよ」と指摘する事が多いです。
でもそれって「自分で勉強できている」と本当に言えるでしょうか。
中学受験、高校受験、大学受験と、受験の際は塾に通う時間も増えると思いますが、
他者に勝つためには、塾以外の時間をいかに有効に使えるか、が重要です。
そのためにも「どこで間違えているのかを自分で探す事」は早めにできるようになっておいた方が良いです。
また自分のミスが何なのかを分析して初めて、「自分ってこんな計算でみミスしていたのか」と体感するはずです。
注意力も身に付きますしね。
「計算ミスに注意する」だけ書いて、ただひたすら類題を解いても非効率です。
分析にしっかり時間をかけて、トレーニング(演習)する際の1つ1つの質を上げましょう!
そのためにも「どこで間違えたかをメモできているか」がとても重要なのです。
もちろん最初はお母様、お父様が一緒に見てあげる必要がありますよ。
その際は、最初はダメなノートでも、丁寧に何度も教えてあげて下さい。
ここに時間をかければ、あとあと楽になります。
「何を間違えた」ではなく
「どこで間違えたか」です。
ココがポイント
「どこで間違えたか」は具体的に書かせる
⑨「どのように改善すればミスがなくなるのか」をメモしているか
⑧が書けるようになればあともう少しです。
次に「どのように改善すればミスがなくなるのか」をメモさせましょう。
これはこれから行うトレーニング(演習)で何を行うのかを具体的に書きます。
例えば先の「わり算の例」でいうと、
筆算時のひき算の繰り下がりで間違えていたのなら、ひき算を演習する必要があるので、
「ひき算を演習する⇒繰り下がりでのミスを確認」や
「ひき算の演習⇒位を揃えて書く」(筆算が丁寧に書けていなくてミスが起きている場合)
など、何をすれば今していたミスを起こさなくなるのか、を書くと良いです。
出来るだけ詳細に書けばいいのですが、これはなかなか難しいと思うので、
ミスを無くすために何をするのかを書くというイメージ程度で良いです。
しっかり文字にして頭に刻み込ませましょう。
ココがポイント
「ミスを無くすために今何をすればいいのか」を書かせる
4.ノートの取り方指導 実践編
それでは、実際僕の教室に通っている生徒のノートを見ていきましょう。
今回は中学生のノートを参考として使用しますが、小学生でも同じことですので参考にして下さい。
特徴別に分けているのでお子様がどのタイプなのか見てみるのも良いかもしれません。
今回は以下のようにタイプを分けました。
タイプ別ノート実例
1.「一見丁寧に取っているがただ書いているだけ」タイプ
2.「解説書きなぐり。絶対整理できていないでしょ!?」タイプ
3.「ポイントを押さえたメモは書けているが、それ記憶に残る?」タイプ
4.「一見工夫して勉強しているなぁと感じるが、あと一歩足りない」タイプ
5.「これぞ理想型!だけどなかなか真似できない」タイプ
では見ていきましょう!
※画像をタップもしくはクリックするとより鮮明に表示されます。
1.「一見丁寧に取っているがただ書いているだけ」タイプ
まずは数学から。
どうでしょうか。
一見「おー、字も大きく丁寧に書けているじゃないかー。」
と感じるノートですよね。
ですが、1枚目では計算のどの部分で間違えたかがチェックされていません。
2枚目も同様で、解説の計算式がなぜ使われているのかが明記されていません。
3枚目もただ正解の計算式を並べて書いているだけで、「6」が「3」である理由などが全く書かれていません。
これでは自分のクセや、これから何に気をつければ良いのか全くわからないですよね。
これってしっかりノートが取れているのでしょうか…。
では続きまして英語
「thirteen」の綴りを間違えていますね。
実はこの生徒、数字の綴りをよく間違えます。
間違うたびに指導はしているのですが、普段から間違うことはわかっているはずですから、他の数字に関しても(11~20までは)調べて書いておく必要がありますよね。
同じように「曜日」「月」なども同じです。一つ間違えばそのグループの単語は即座にチェックするべきです。
お次は理科
理科の物理ですが、こちらもただ式と答えを書いているだけで、「ヘルツ」の基本事項が全く書かれていません。
特に理科の計算問題は数学と異なり、公式で使用される単位が固定されています。
したがってその公式を覚える際には「単位」も覚える必要があり、数学に比べて詳細に暗記・理解する必要があります。
ただ計算式を書いたからといって、類題が解けるわけありません。なんとなくこの数字を使う、だけでは単位変換等でミスします。
音の速さの問題に関しても、距離を求めるのだから、速さの公式を使用します。「速さの公式を使う」という事はどこから判断すればいいのでしょうか。それが大切です。
理科もう一つ。
今度は語句の選択問題ですが、
このように似たような言葉の選択でミスしている場合は、
似た言葉の意味の違いを把握できていない場合が多いです。
(ちなみにこれ○になってますが、もともとは✕だったものを解き直しています。まとめたりはしていません。)
この場合は、教科書や参考書の「動物の分類」を開き、
「外とう膜」と「外骨格」、「節足動物」と「軟体動物」の違いを確認し、動物の分類について表などにしてまとめるべきです。
では社会!
社会も答えだけ書いて終わり、ですね…。
1枚目では選択肢のフランス、スペイン、ポルトガル、イギリスがそれぞれ植民地にしていた国をまとめる必要があります。
「違い」を把握する事が重要なのですから。
答えのイギリスだけではダメです。
2枚目に関しては「義和団事件」についてまとめる必要がありますよね。
このような形で、一見丁寧に見えても、ただ丁寧に書いているだけで、解説はおろか、自分にとって必要な事も書けていません。
理科や社会もただ答えの単語を書いているだけでした。
これでは「字のトレーニング」をしているにすぎません。
この生徒には、丁寧にノートの取り方・まとめ方を指導し、再提出を求めました。
ココがポイント
丁寧に書いてれば良いというわけではない
2.「解説書きなぐり。絶対整理できていないでしょ!?」タイプ
では今度は解説をしっかり書いているタイプを見ていきましょう。
数学!
これは…(^^;
先程とは異なり、解説はびっしり書いていますよね。
ただ、グラフや最低限必要な問題文もなければ、改行すら行っていません。
ただ書きなぐっているだけで、全く整理できていません。
もちろん自分に必要な内容のメモも取れていませんね。
この場合は、まずは改行などで整理して書く事を教えた上で、グラフや図形を書き、そこがポイントになっているのかを書かせる必要があります。
ただ一応解説内容は書いているので、先程の生徒よりかは幾分良いかもしれません。
他教科こんな感じなので省略させていただきます。
ココがポイント
解説を「書く」=「写す」ではない
3.「ポイントを押さえたメモは書けているが、それ記憶に残る?」タイプ
さて次は「ポイントは押さえているが、情報少なすぎませんか!?」というタイプです。
では数学から
緑色の字は僕が書いたものです。
思わず「何これ?」と書いてしまいました…。
図形は書けていますが、この図形のどこに注目すればいいのでしょうか。式で使用されている長さも書き込まれていません。
この問題は展開図から立体(見取り図)を自分で書かないと解けない問題で、立体をしっかり思い浮かべる事ができなかったのでしょう。
それで立体だけ書いているのだと思うのですが、それだけでは、式で使用している長さと立体での長さをしっかり把握しきれているとは言えません。
実はこの生徒、かなり点数や偏差値が上がってきていて、効率よく勉強できるようになってきています。
自分なりのポイントだけを端的に書いていると推測するのですが、もう一歩ミスが減らない原因はこういうところにあります。
この生徒をさらに飛躍させるには、「細かく丁寧に見る」という力が必要です。
次、英語!
これも「haveでもOK」と書かれていますが、一体何が「haveでもOK」なのでしょうか。
この場合、問題文も差し込んで、どうしてhaveでも良いのかを整理して書く必要があります。
その前の問題の答えは「doesn't」で、もともとは「don't」で間違えていました。それなら「主語をしっかり確認する」などと書くべきですね。
答えを確認してから解いても正解できるのは当たり前です。
一度自分のミスをまとめてから解き直しをするべきです。
では社会です!
社会は選択肢でミスした内容に関して、しっかりまとめられていますね。
実はこの生徒、社会の授業を取っているのですが、授業中に行っているのは「単元内容のまとめをノートに書く」という事です。
授業中にノートを確認し、わからない箇所や補足を解説し、演習は宿題としています。
この為、社会はしっかりまとめられているのだと思います。
数学も授業は取っているのですが、数学は問題演習量を増やす事が目的なので、授業中はノートの取り方よりも、問題を解きまくる、といった授業進行をしています。
教科が異なるとノートの内容も異なりますね。
日々の積み重ねはクセとして出るものだという事が改めてわかりりました。
どうでしょうか。
確かにポイントは押さえて効率よく書けているように見えますが、どこでミスしているのか、どう改善すれば良いのかが書けていませんよね。
次回の模試でも同じ不注意を起こしそうです。
また、日々の積み重ねがノートに表れるという事もわかりました。
ココがポイント
ポイントを単語で書くだけではなく、面倒臭がらずにしっかりと注意点を書かせる
4.「一見工夫して勉強しているなぁと感じるが、あと一歩足りない」タイプ
今度は工夫してノート作りをしているタイプです。
まずは数学から。
図形も書けていますし、自分が最初に解いた答えは「薄緑色」で書かれていますね。(濃い緑色は僕の字です。添削済みのノートです。)
比較しやすいですね。
また解説は、ある程度改行もされていて読みやすく、「紫色」で書き、一目で解説だな、とわかりやすいです。
しかし、この解説の解法、図形のどの部分に着目すればこの解法にたどり着けるのでしょうか。
またその着目の仕方はどうすれば養えるのでしょうか。
普段の勉強で何に気を付ければいいのでしょうか。
それが書けていないのですよね。
もう一歩といった感じです。
実はこの生徒もかなり成績が上がりました。
しかしケアレスミスが多いのです。
それがなければ高得点者の仲間入りです。
なので、いかに自分にとっての注意点が何であるかを、自ら意識させる事が重要です。
では英語を見てみましょう
(緑色で書いてあるのは僕の字です。)
さて英語も同じですね。
「受動態なので…」と紫色で解説を書いてくれていますが、問題文のどこから「受動態の文にする」とわかるのでしょうか。
それがはっきりしていないのに、次回、類題が出たときにしっかり解けるのでしょうか。
この場合、「主語が入れ替わっているので、主語に合わせた述語を考える。」と書くのが理想です。
また、「書き換え問題のときは、空欄だけでなく、文全体を見て空欄を考える」とメモするべきですね。
普段の自分の「どこを改善すれば良いのか」を書く事が大切です。
次は理科と社会
わかりにくいのですが、この生徒、理科と社会は問題をコピーして切り貼りしています。(1枚目と2枚目は横に長いものを折りたたんでいます。)
理科は解説をピンポイントで書けていますね。
ただ、自分で行った計算は書けていないので、「どこが間違っているのか」が正確に書けていません。
これでは正解の式は理解出来ていても、自分が何に気を付ければいいのか、が不明です。
社会は選択肢の内容をしっかり図と共に書き込めていますね。
いかがでしたでしょうか。
一見、工夫して自分なりのノートに仕上がっていても、
肝心の「どこで間違っているのか」「何をすればいいのか」が書けていないと、また同じような問題でミスする可能性があります。
ココがポイント
工夫され、見やすいノートでも、「どこで間違えたかが」が書けているかが重要
5.「これぞ理想型!だけどなかなか真似できない」タイプ
一応参考となる「理想のノート」タイプをご紹介します。
これ、私やスタッフが書いたものではありません。中学生が書いたものである事を前提にご覧ください。
この生徒も最初は解説だけを書く生徒でした。
ではどうぞ。
まずは数学
いかがですか。
この生徒の良いところは、計算問題においても、自分のおこなった計算内容と、解説の計算内容を比較して書いているところです。
自分の式の違いや、計算のどこでミスしたかも明確に記載しています。
さらに良いところは、
「できなかった所」で「どこで間違えたか」を書き、
「まとめ」で「どのように改善すれば良いのか」を書き、
さらにはどの問題集をするのかまで書いてあります。
気を付ける部分を自分が解いた箇所や、解説中に書き込み、さらに問題の最後にまとめまで書いてあります。
しっかり最後に整理しているという事ですね。
(チェック項目の⑩までできている事になります。)
現在自習室にて毎日実行しています。
このノートを元に。
理科や社会も見てみましょう
こちらも数学同様、自分のもとめた式と解説の式を比較して書いてあります。
公式や単位までしっかり書かれています。
語句の間違いですが、自分が間違えた単語と正解の単語、両方の解説を書き込んでますね。
さて社会ですが、
選択肢一つ一つの解説だけでなく、グラフの見方まで詳細に書かれています。
近年は中学受験、高校受験、大学受験問わず、社会でもグラフの読み取り方を試す問題が当たり前となっています。
それにもしっかり対応できる勉強になっていますね。
こちらは歴史ですが、
満州事変から日中戦争への流れを、短い言葉で矢印を用い、わかりやすく書かれています。
さらに「Point」の箇所では、その後の太平洋戦争までの流れが簡潔に書かれていますね。
「理想タイプ」
いかがでしたでしょうか。
ノートの取り方の参考として読んでいたはずが、いつの間にか「勉強するように」読んでいたのではないでしょうか。
僕もスタッフも、「これはすごいね…。」と圧巻でした。
なかなかここまで真似するのは難しいですよね。
ただ、冒頭にも書きましたが、この生徒も最初は解説しか書いていませんでした。
振り返ってみると、授業中に「これ書かなきゃ意味ないよ。」とノートの取り方を指導していました。
ただ、「ノートの取り方を教えるね。」とは一言も言っていません。
ここが他の生徒と違うところでした。
他の生徒は「今からノートの取り方を教えるから」と一言置いて指導しています。
ほとんどの生徒は事前にどんな目的で指導するのかを言わないと、「そのように適切な」学習をしてくれません。
ノートの取り方を指導するときは必ず、
「じゃあ今からノートの取り方を教えるからよく聞いてね。」と
一言添えてから教えて下さい。
これが最も重要な事ですね!
ココがポイント
ノートの取り方を教えるときは一言添えてから教える
まとめ
さて「ノートの取り方の教え方」いかがでしたでしょうか。
お疲れ様でした!!
長くなってしまい申し訳ありません。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
しかし、かなり実例を挙げたので、少しはポイントをお伝え出来たかな、と勝手に想像しています。
字が汚い美しいではなくて、見やすく、その子に合ったノートが重要です。
早速お子様のノートを見て分析し、どこから手を付けるか検討してみて下さい。
長くなったので、最後にポイントのまとめを載せておきます。
ポイントまとめ
- ノートを取るとは「整理」する事
- ノートの取り方は子供によって異なる
- 「どこで間違えたか」は具体的に書かせる
- 「ミスを無くすために今何をすればいいのか」を書かせる
- 丁寧に書いてれば良いというわけではない
- 解説を「書く」=「写す」ではない
- ポイントを単語で書くだけではなく、面倒臭がらずにしっかりと注意点を書かせる
- 工夫され、見やすいノートでも、「どこで間違えたかが」が書けているかが重要
- ノートの取り方を教えるときは一言添えてから教える
…ブログを書き始めて、ここまで長い記事は初めてでした。
何度か辞めとこかな…と思った事もありました。
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